!注意!:流血とか出てくるかもです。

風が吹き付けている。
一人の人物はある場所に立っていた。
そう、彼にとってはある知り合いの命日だ。
ファルコン「…。」
その人物はカー坊ではない。
もう一人の知り合いだ。
カー坊「どうした?」
ファルコン「いや、これほど知り合いが死んでいると悲しいものだな・・・。」
カー坊「無理もないな。」
花束を持っているカー坊はそれを投げたのだ。
カー坊「安らかにな…ユラフラル…。」
そうつぶやいたのだ。
カー坊「何だ…?」
と、誰かが立っていたのだ。
カー坊は武器を構える。
カー坊は、その時に違和感を覚えた。
いや、自らがおかしいのだ。
カー坊「うらぁぁぁああああ!」
剣を持って突込み、敵を切り倒すが、カー坊の異変はまだ続いている。
カー坊「くっ…!逃げろ…ッ!」
ファルコン「え?」
その瞬間、カー坊の魔術が暴発した。
落ち着いたときには、カー坊は彼が倒れているのを見てしまったのだ。
カー坊「うぁ…ぁぁあ…うあああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁッ!!!!!」
カー坊は絶望感を感じた。
カー坊の魔力に当てられて生きた記録が無い為だ。
カー坊は、もはや彼を殺したと感じてしまったのだ。
秋水が、爆発に察してきた時には、カー坊はいなくなっていた。
ただ一つ、手紙を残して魔術で去って行ってしまっていたのだ。
秋水「!」
倒れているファルコンを抱えると、すぐに特殊病院に搬送し、治療を託したのだ。
秋水「まさか…。」
彼を助ける際に落ちていた手紙を持ってきていたガイアも心配そうだ。
ガイア「…主は…私ですか…。」
手紙を読み、驚くしかないガイア。
ガイア「魔力に当てられたようです…彼は…。生きるかは、わかりません。」
秋水「そんな…。」
ガイア「神様の世界へと向かったようです…。責任を、感じたのでしょう。」
秋水「…。」
重傷というレベルではないが、カー坊の魔力に当てられただけでも重傷ではないか、そう考えるガイア。
ガイア「しかし…一体何が…。」
秋水「様子見しましょう。」
ガイア「分かりました。」
その日はそのまま様子見するしか、二人は手段を考えなかった。
いや、手段がそれしかないのだろう。

翌日、ガイアは彼を様子見しに現れたのだ。
その時に、光が彼を包んだのだ。
秋水も、丁度その時に現れる。
秋水「光…?」
ガイアは、ただ何が起きているのかは分からなかった。
光が消えてから、彼の様子を確認したのだ。
ガイア「…魔力に当てられただけではなく、爆発に巻き込まれていたようですね…。」
秋水「大丈夫でしょうか?」
ガイア「はい。魔力の方は消されたようですが、爆発のは軽いやけどで済んでいるようです。」
秋水「よかったです…。」
しかし、何が起きたのかは手紙しか分からない二人。
カー坊が何故…とは思ったのだが。
その時に、そっと目を覚ますファルコン。
ほっとする二人。
ガイア「大丈夫でしょうか?」
ファルコン「何とかな…。」
ガイア「医者からの話を聞かなくては…失礼します。」
ガイアは便せんで書かれた手紙をただ見るしかなかった。
しかし、それでも生きている。
ガイアは、部屋から出て行ったのだ。
秋水「ここの技術は本当に凄いですね。医療も今追いついてきましたよ。ですが、何が起きたのか分かりますか?」
ファルコン「…分からない…。」
秋水「そうですか…。すみません…。」
秋水は、彼が何故倒れていたのかも気になったのだ。
秋水「絶対安静ですよ。何か異変でも起きても困りますから…。」
ファルコン「そうか…。」
秋水「何か手がかりがあればいいのですが…。」
ファルコン「…カー坊は…敵を倒した後に、逃げろと叫んでいた。オレにはそれがなんなのか分からなかった…。」
秋水「!敵を倒した後!?敵の亡骸は見つからなかったのですが…まさか、吹き飛ばしたとか…粉砕した…?!」
ファルコン「…酷く、苦しんだよ…。何かが、オレを苦しめていたから…。今は、かなり楽だよ…。」
秋水「魔力も侮れませんから…。」
秋水は安心しつつも、様子見を続けている。
秋水は、あの事故を思い浮かべたのだ。
あの事故で、彼は死にかけたというのがある為だ。
秋水「絶対安静でお願いします。しかし…。」
ファルコン「何か…あるのか…?」
秋水「カー坊さんが暴走したというのは、可能性としては無いわけじゃない…。でも、完全ではなかったのが幸いしましたね…。」
ガイアが現れると、秋水は視線を向けず、ただ機械自体に視線を向けたのだ。
ガイア「完全でしたら死んでいたでしょうね、間違いなく…。」
秋水「ええ、そうですね…。軽い暴発程度でしょうが、カー坊さんは神様の世界へ?」
ガイア「そこで今抑えてたりしているようです。」
秋水「暴発と?」
ガイア「はい。間違いは無いでしょう。被害が最小限で済んでよかったです…。」
きょとんとしているファルコンだが、ガイアが被害書類を見せたのだ。
ガイア「これをファルコンさんにも見せましょう。」
秋水「これは…。」
バツ印がうってあるその書類の一つを、ファルコンと秋水に見せたのだ。
ファルコンはその身を起こし、その一つを見つめたのだ。
ガイア「今回はこの程度で済みました。今、立ち入り禁止になっている筈です。」
秋水「少ないですね。暴発にしては…。」
ガイア「この位置に彼が倒れていて、亡骸はどうも爆心地に近かったらしく吹き飛んだというか粉砕したようですね。」
秋水「恐ろしいですね。」
ガイアはその書類の一つを仕舞うと、連れてきた人物に視線を向けたのだ。
ガイア「…とにかく…危険な状況になったら連絡ください。私は失礼します。」
秋水「はい。」
ガイアはそのまま去って行ったのを見送る三名。
秋水「…不安なのもありますが…私は、もし人を殺せと言われたら殺します…。」
ファルコン「止めておけ…。」
秋水「言うと思いましたよ。ですが、医者でも戦わない時代は終わっている筈でしょう。この世界もそうです。」
ファルコン「…。」
秋水「私だって戦えます。」
秋水はそういうが、秋水は不安もある。
カー坊がもし完全に暴走していたらという事だ。
廃墟で一度起きた大爆発の事を思ったのだろう。
それは紛れもない、カー坊が原因だったのだ。
廃墟といえど存在している建物に被害がないのは、神様が抑えきった為だろう。
秋水はその事件により、腕を負傷した事もある。
風も暴発したように暴れていた為か、その目に傷があるのだ。
秋水「…。」
ファルコン「…お前…。傷が…。」
秋水「はい。廃墟で一度起きました、暴発事件により負傷したものです。風も吹き荒れていたのです。その際に傷を…。」
秋水はその傷を見せる。
痛みは無いようだが、あの日が迫ると痛みを覚えていくようだ。
秋水「…。」
表情がゆがんだのを見て不安になるファルコン。
“あの日”に近い為か、痛みが無い筈なのにするという現象が起きているのだ。
ドクター「大丈夫かい?」
秋水「大丈夫です…。ありがとうございます。」
はっとする秋水。
気配が近寄ってきている為だ。
秋水「…二人とも、下がっていてください。今度こそ、私は…守りたい!」
言うや否や、走って出ていく秋水。
秋水は武器ではない筈の武器を構えると、向けたのだ。
秋水「…敵ですか。」
声「下がれ!」
はっとし、下がる秋水。
闇がその敵を仕留めたのだ。
秋水「ダークブラスターさん…。あなたの目的は…。」
ダークブラスター「俺はお前らを狙いに来たわけじゃない。カー坊って奴が戻ってきたことを報告しに来ただけだ。」
秋水「えっ…。」
魔術で去って行ったダークブラスター。
その後ろに、カー坊が立っていた。
カー坊「その…無事なのか…?」
秋水「はい、何とか。」
カー坊はその部屋に入る。秋水も一緒だが。
はっとしたのは一人だ。
ガイア「では、仕事に戻らせていただきます。」
ガイアは二人を通り過ぎるように歩き去っていく。
ファルコン「…カー坊、秋水に何が起きた。」
カー坊「…あれは…私が魔力を抑えきれず、廃墟で暴発した時だ…。風が吹き荒れ、爆発が発生していた。秋水は私を止めようとし、その目に傷を負った。未だにあの日が近づくと痛むという。視力も低下させてしまったが、回復できている。しかし、腕にも負傷しているのは秋水だけじゃなかった。轟も、腕に深い傷を負ってしまったのだから。その傷跡も残っている。二人しか被害が出なかったのは、神様のおかげだからだ…。」
カー坊は淡々とあの過去を語ったのだ。
静かに聞いている者たちは、カー坊の話をしっかりと聞いていた。
カー坊「だから、悪いのは私だ。今回もそうだ。だから…。」
ファルコン「カー坊ッ!」
カー坊「…すまない。」
カー坊は剣を出したのだ。
思わず驚いたのは秋水だ。
秋水「おやめください!ここは病院です!血の処理なんてさせない方が…!」
カー坊「それも、あるがな…。」
剣を仕舞うカー坊。
カー坊「数日後に、例の現場で待っていよう。」
と、いい残し、魔術で去って行ってしまったのだ。
秋水「…。」
殆どが静まり返っていた。
それでも、指示通りにするしかないでしょう、と付け加えた秋水だった。

数日後。
ある丘に、一人で現れたのは、ファルコンだ。
カー坊「来ていたのか。申し訳なかったな。」
短剣を持っていたが、その剣でカー坊自らを突き刺すカー坊。
ファルコン「!止めろッ!」
カー坊はそのままずばっと自らを切り、倒れたのだ。
ファルコン「カー坊!」
その血が、地面を染めていく。
カー坊は、うつろな目を向けたのだ。
闇の剣が地面に突き刺さり、距離を取るファルコン。
ダークブラスター「気をつけろ!化け物となる!下がってろ!」
ファルコン「誰なんだお前は…!」
ダークブラスター「いいから話は後だ!下がれ!」
短剣を地面にさしておいて、そのままカー坊の手に魔力が集まり、まるで獣のような爪が現れる。
向かっていくカー坊を、何とかよけるダークブラスター。
その後に、剣の方へ走り、剣を引き抜くと、ただカー坊に視線を向ける。
カー坊は我を忘れているわけではないらしい、ファルコンには攻撃をしてこない。
くるりと振り向くと、ダークブラスターに向かっていく。
その爪の餌食になるダークブラスター。
血が舞う。
だが、その両手をつかんだのはダークブラスターだ。
剣を地面にさして、その後にわざと攻撃を受けたのだ。
ダークブラスター(負傷)「…カー坊…!聞こえるか!お前はその程度で暴走するのかっ!頼む…!正気に戻るんだ!」
カー坊はその視線を向けているが、カー坊の首をとん、と叩いたものが居た。
秋水だ。
ふっと消える獣のような爪。
倒れるカー坊。
後ろに下がり、傷を手で押さえるダークブラスター。
ダークブラスター(負傷)「あのドクターだったら間違いなく死んでたな…。」
ドクター「私を呼んだのかい?」
ダークブラスター「おい…危ないのによく来るな…。お前ら…圧巻させてやろうか今度…うっ…!」
痛みを覚え、苦痛の表情を浮かべるダークブラスター。
秋水「すみません、彼は闇属性です!光の術は拒絶されます!ですので…!」
ダークブラスター(負傷)「大丈夫だよ…。戻るから…。」
魔術で去っていくダークブラスター。
秋水は、不安で来たのだ。
秋水「とにかく、また起きたのは事実なので…。」
ファルコン「そうか…。大丈夫なのか…?」
秋水「それは分かりません…。…!」
はっとする秋水。
敵が、彼の後ろにいたのだ。
敵「動くなよ。」
ファルコン「…そういう事か。」
秋水「死にますよ!この人、風を…!」
敵「何故わかった。一人死んでもらう…。」
その瞬間、ファルコンに深い傷を負わせた敵。
そのまま、崩れるようにして倒れるファルコン。
秋水「…くっ…。」
闇の力が、その敵の首をはねたのだ。
その後に闇の力が、それごとつつみ、粉砕する。
血は落ちていかない。
闇は人に当たらない位置に移動し、血を放出する。
そのまま闇は地面へとすいこまれる。
そして、現れたのは、負傷していても戻ってきたダークブラスターだ。
秋水「…すみません。」
その後にダークブラスターは再び魔術で去って行ったのだ。
秋水「…。」
まだ終わっていないのは自覚しているが、あとは任せるしかなかった。
それこそ、不運の空気のように。

数日後になって、軍がつぶしたとの連絡が入ったのだ。
軍というのは、種族軍隊の事だ。
ほっとしたが、重傷だったファルコンも意識を取り戻したとの連絡も入ってさらに安心したのは秋水だ。
秋水「カー坊さんは、しばらく戻れない…。だから…戻れたらきっと…。」
秋水はそう告げる。
ドクターもきっと頑張ってくれている。
そう信じている秋水。
秋水「そうですね…私も、帰ったら頑張りましょう。」
そう呟く秋水。
その世界が見える場所で、ただ、微笑んでいた。










 希望の羽様より素敵な小説を頂きました!いつもありがとうございます!
 暴走してしまったカー坊…。一体どうなってしまうのかハラハラものでした…。
 そして彼女は無事戻ってきてくれるのでしょうか?次回に期待したいです!
 希望の羽様、有難う御座いました!