月の中へ








「くっ……!」

 吹き飛ばされたマリオは床をスライディングしながら膝をついた。

「どうした、マリオ? それでおしまい?」

 デークはクスクス笑い、マリオは今度は彼が力が上なのだと思い知らされる。歯をくいしばりながら、押していた筈が、いつの間にか押されていると思わざるをえなかった。

「だけど……僕は絶対に負けない!!」

 直ぐに立ち上がってデークへ向かって走ってく。デークは余裕な笑みで再び拳を構えた。
 だが、デークより先に何者かがマリオに向かって飛び掛かって来た。マリオは反射的に体を屈め、攻撃を避けた。

「うわわわっと!」

 服を霞めただけでも破れてしまい、半端ない攻撃力の高さに、マリオは避けながら鳥肌を立たせた。
 デークも攻撃を止め、邪魔者の犯人に目を細める。
 マリオが後ろを向いた先には、見覚えのある狼がいた。狼はこちらを睨み、低く唸っている。

「! リンク!!」

 マリオは見開いた。
 そいつは狼リンクなのだが、ギガ軍に調教された後な為、マリオを襲うことしか頭に無くなっている様子だ。攻撃を避けられた後でも直ぐに襲う体勢に入っている。

「リンク……駄目だよ、こんな真似しちゃ……!」
「グゥルルル……」

 マリオはこちらを鋭く睨む狼リンクに戸惑ってしまうが、相手が敵になろうとも元々は自分達の仲間なのだ。攻撃はしたくても出来ない。

「……完全に仲間を敵としか見なくなったみたいだな」

 デークはフフンと笑い、後ろにいる人物に話し掛けた。後ろにいる人物──ミエールは黙っていたが、フンッと目を反らし、頭に片手を回した。あの時のことを未だに根に持っている様である。

「! リンクさん……」

 フォウの攻撃をかわした子リンは狼リンクをやっと見た。

「さて、俺達の分身みたいな彼がどうしてゆくのか見物だな」

 フォウも狼リンクを見てクスクス笑う。子リンは、キッと彼を睨み付けた。

「リンクさんが、お前達の言いなりになんか、なるもんか!!」
「おっと」

 子リンは剣を振り下ろすが、フォウは盾で難無くそれをかわす。

「そうやって悔やんでいると、良いよ!」
「うわっ!」

 盾に押され、子リンは尻餅をついた。

(皆、仲間のことで戦意を失いかけている……っ)

 マーシスはディバと何度も剣を交えながら周りに目線をたまに向ける。

「お仲間が心配? 泣かせるねぇ」

 ディバは歯を見せて笑う。

「だから分かるだろう? 仲間を心配してると命取りだってな!」
「っく!」

 ディバの攻撃にマーシスは危うく避ける。ツインモルドの戦いの後なので、マーシスの動きは若干鈍くなっている。

「リンク……!」
「これで終わりにしてやる……」

 マリオは狼リンクを見ていて、後ろから巨大炎の準備を始めるデークに気付いていなかった。だが、例え気付いていたとしても、マリオは狼リンクしか気にならないであろう。

「リンク! インパさんから言われた言葉、思い出してくれ!」
「グウゥ……!」
「インパさん、言ってたよね? 『人は守るべきものがある限り、宿命を持って生まれる』って。リンクの宿命は、ギガ軍の味方になることじゃない筈だろ!?」
「……」

 唸るばかりだった狼リンクは、彼のその言葉に次第に静かになる。が、未だにマリオを睨み付けていた。

(今度こそ、あいつはマリオ達を敵としか見ていない筈だろう)

 ミエールは無表情のまま、狼リンクを見ていた。
 狼リンクは声を上げながら床を強く蹴り上げ、マリオへ襲い掛かる。

「リンク!!」




「大分傷が癒えたみたいね」

 赤いクスリを飲ませたナビィは、トレイルと共に、スタルキッドとチャットを見守る。
 彼等は時計搭の下(ラフィット達とは反対側)へワープされたのだ。

「う、うーん……」

 先に目覚めたのはチャットだった。弱くなっていた光も漸く元に戻り、羽を動かしながらゆっくりと浮遊する。

「良かった! 気が付いたのね、チャット!」
「姉ちゃーん!」

 トレイルは喜びのあまり、チャットの側まで直ぐに近付いた。

「ナビィ、トレイル……」
「うーん……」

 やがて、スタルキッドも意識を取り戻す。指もピクッと動き、目を覚ましていった。

「スタルキッドも気が付いたのね!」

 ナビィは嬉しそうにキラキラと光った。
 スタルキッドは未だに仮面を付けたまま顔をフルフルと振った。

「あれ? オイラ、どうしちゃったんだっけ……」
「あの時を覚えていないのね。でも、もう大丈夫よ」

 その後、スタルキッドは自分の過ちを思い出していき、次第に俯いていく。

「オイラ……オイラ……とんでもないことを……巨人達だけじゃない、チャットやトレイルにも酷いことを……」
「もう良いのよ、スタルキッド。大丈夫だからね」

 ナビィは優しい声でなだめた。スタルキッドはうつ向き、体を震わせた。

「ありがとう……ごめんよ、ホントに……」
「スタルキッド……」

 チャットとトレイルはスタルキッドの側まで寄ってきた。

 ──ヒヒヒヒヒ……。

 そんな時、スタルキッド達は不気味な笑い声を聞いた。初めてスマブラの前に現れた時と同じ笑い声だが、スタルキッド自身は笑っていない。

「な、何? 今の……」

 トレイルは震えながら紡いだ。

 ──ヒヒヒヒヒ! ヒャハハハ!
「!? オ、オイラの仮面が……!」

 するとスタルキッドの付けている仮面が不気味な紫の光に輝き始め、フワリと浮かんだ。
 そして仮面が外れ、スタルキッドは地面へ倒れた。

「うわっ!」
「スタルキッド!!」

 妖精姉弟は気を失ったスタルキッドへ慌てて寄った。ナビィは仮面を見上げる。

「あんた……只の魔法の仮面じゃ無いわね!?」

 そう叫ぶと、仮面は再び高らかな笑い声を上げた。

「ヒヒャハハハ! そんな野郎にもう用は無いよ。お陰で十分楽しませて貰ったからなぁ」
「な……どう言うことよ!?」
「俺退屈だったんだよねぇ。遊び相手が欲しかったんだよ。だから寂しがり屋のコイツを唆した訳さ。けど、もうそのガキは俺と遊んでくれないみたいだから、消えて貰うんだ」
「なんですって!?」

 するとその仮面から炎の様な光が現れ始めた。仮面の前から小さな黄色い弾が作り出され、それは次第に大きくなる。

「皆逃げて!」

 ナビィは後ろの三人に急いで呼び掛けた。それと同時に、仮面から光線が放たれた。

「!?」

 その頃、狼リンクは今の震動に、マリオに攻撃する寸前に止まった。

「うぅわ! な、何だ!?」

 いきなりどうしたんだと思うより先に、マリオは突如来た揺れの方が気になった。他のスマブラや敵も今の揺れは気になった。
 すると時計搭からスタルキッドの付けていた仮面がフワリと現れる。子リンはマリオの隣まで駆け寄り、彼と同じ仮面を睨み上げた。

「お前は何者だ!」

 子リンは叫んだ。すると仮面の目がニタリと笑う。

「ヒヒヒヒヒ! 俺はムジュラの仮面。楽しいことが好きな仮面さ」
「ムジュラ?」

 マリオは呟いた。

「お前達、中々強そうだな。俺と遊んでよ」
「な!?」

 仮面はマリオと子リンを見て言った。そして近付いた。

「ヒヒヒヒヒ! あの月の中で待ってるぜ!」

 ムジュラの仮面は一気に飛び上がり、月の顔の口の中へ入っていった。

「チッ。邪魔するとは大した奴だ」

 一部始終を見ていたデークは、ムジュラの仮面に魔法を抑えられた為、巨大炎の技はお預けとなった。

「子リン、行こう!」
「ああ!」

 マリオの背中に子リンを乗せ、飛び立とうとした。

「グアァ!」
「うわあ!?」
「子リン!」

 子リンが突然マリオから離れた。狼リンクに足をくわえられ引っ張られて行くのである。マリオは身を翻し、子リンに手を伸ばす。

「マリオさん! 行って!」

 だが子リンはそれを拒む言葉を放った。

「子リン!!」
「あいつを早く倒さなきゃ、奴は何をしでかすか分からない! 今、奴を何とか出来るのは、マリオさんだけだ! くっ……」
「!」

 床へ体を叩かれ、子リンは蹲ってしまう。

「マリオ!」

 マリオの元にナビィが飛んで来た。

「ナビィ! さっき爆発があったけど、大丈夫だったかっ?」
「うん。ムジュラの仮面に攻撃されたけど、スタルキッド達は何とか逃げ切れたわ。
 マリオ、あいつを倒しましょう。とてつもない邪悪な気配がするの。放って置くと、きっと大変なことになるわ」
「……ああ、分かってるっ。皆の気持ち、無駄にはしない!」

 マリオは引き返さず、ナビィと一緒に月の中へと入っていった。




「!」
「!」

 マリオとナビィは、月の中へ入ったと同時に、不思議な空間へ入り込んだのに直ぐに気付いた。月の中は、青空と草原が広がっているのだ。風に草達がなびき、雲も柔らかく流れる。
 そして、草原の中心辺りには、一本の木が寂しそうに生えているのだ。

「ここが、月の中……?」

 意外だと、マリオは見開いて辺りを見回す。ナビィもキョロキョロと見回した。

「うん。確かにここは月の中だと思うんだけど……」

 ナビィも自信が無いのか、次第に羽を垂らしてしまった。

「ん?」

 マリオはハッと気付いた。生えている一本の木辺りに、小さな人の影が幾つか見えた。

「誰かいるっ」
「え? ち、ちょっとマリオ!」

 直ぐに走り出したマリオに驚き、ナビィは慌てて彼を追い掛けていった。
 木のとこまで到着すると、見知らぬ少年達が五人位いた。全員お面を被っているのは分かるが、それまでは普通と言っても良い。只、自分達が倒した奴らの仮面を被っているのに、自然と不快を抱き始めた。
 彼等はこちらに気付くと、キャア、と、少年がはしゃぐ際の高い声を出しながらマリオ達のとこへ走った。

「わーい! 鬼だ鬼だぁ!」
「一緒に遊んでくれるんだね!」
「鬼さん、こちら! 手の鳴る方へ!」
「早く逃げよう!」
「ち、ちょっと……」

 マリオ達は彼等を見ながら少し焦った。

「……良く来たな」
「!」

 木のとこに座っているのは、ムジュラの仮面を被った少年だ。
 その少年の声は、ムジュラの仮面と同じ声だ。マリオ達は息を飲み、彼を見つめる。
 少年が立ち上がると、ムジュラの仮面が僅かに光り出した。すると、草原や空の景色がぐんにゃりと曲がり始めたのだ。

「! こ……これは……っ!」

 マリオ達は、変形してゆく空間を見回す。その空間は、やがて不穏な空気を漂わせる魔の空間と化した。
 マリオはさっきの少年を見た。だが少年は既にいなく、ムジュラの仮面と他の仮面達しかなかった。四つの仮面がマリオ達を囲む。マリオとナビィは冷や汗を流しながら周りの仮面を睨み見回す。

「さあ、楽しい楽しいお遊びの始まりだ……!」

 ムジュラの仮面はみるみる大きくなり、グロテスクで細い触手が何十本も現れた。

「……遊びに付き合うしかないみたいだな」

 マリオは怒りの表情を浮かべ、拳を構えた。

「ナビィ、アドバイスは任せたからね!」
「う、うん! 頑張るわ!」




「うぁ!」

 子リンは、フォウと狼リンクのクロス攻撃を受け、かなりのダメージをくらってしまう。

「くっ……くっそお……!」

 子リンは蓄積されたダメージに体力をかなり奪われてしまっていた。

「フフフ、いつまでもつかな?」
「……」

 余裕の笑みを浮かべているフォウは、コキリの剣を構え直しながら言った。一方、狼リンクは黙ったまま子リンを見ている。が、攻撃の構えは怠っていない。

(くそ! リンクさん……リンクさんはやっぱり攻撃出来ない……何とかしないと……!)
「!」

 子リンはその時、更なる胸騒ぎを覚えた。しかもそれは上からだ。とっさにそちらへ顔を上げると、巨大な月の顔が目に入る。

(……マリオさん、ナビィ……?)

 二人に何かあったと言うのか。とてつも無く嫌な予感がしてくる。やはり、自分もあの月の中へ行くべきなのか?

「……」

 狼リンクは子リンの行動を静かに見ている。

「覚悟しろ、ヤングリンク!」

 フォウが走り出すと狼リンクも走り出した。子リンはハッとし、フォウを見る。
 フォウが横へなぎ払って来る剣をギリギリ跳んで避けた。だがその時、狼リンクに腹部を噛みつかれたのだ。

「うああああぁぁぁ!!」

 しまったと共にもう終わりだと絶望感を抱いた。
 だが、良く考えると、不思議と腹部からの痛みは無い。激痛を、噛みつかれる直前に想像していたのに。だが噛まれた感じはある。
 狼リンクは彼の服だけに噛みついていた。外したのか、故意なのか。攻撃を外したのならば、こんなミスを犯すことは滅多に有り得ない。とすると……?

「リンクさんっ!?」
「グウウゥ……ガアァ!」
「うわぁ!」

 狼リンクは彼を上へ投げ飛ばした。投げ飛ばされた子リンは上へと吹っ飛ぶ。
 だが後に子リンは何かに気付いた。

(な、何だ? この方角は、明らかに……)

 そう、明らかに月の口の中だった。子リンは、吸い込まれる様にその中へ入っていったのだった。

「な! 何をしているんだ、犬!」

 フォウは見開き、目の前に着地した狼リンクを睨んだ。
 狼リンクも負けじと睨み返し、するとフォウに飛び掛かった。

「ガウゥ!!」
「う、あああぁぁぁァァ!!」

 狼リンクの牙がフォウの首へ突き刺さる。首を思い切り噛みつかれたフォウは、断末魔の悲鳴を上げると、そのまま姿が血の塊へ変わり、血と共に崩れ消滅してしまった。

「リンク……いつまでも我々に逆らう気か!」

 見てしまったミエールは見開き、こちらを見てくる狼リンクを見下す。そして腕を振り上げた。

「このっ……馬鹿犬が!!」




「マリオさん! ナビィ!」
「リ、リンク!」
「この声、子リンかっ?」

 仮面達が攻撃してくる直前、子リンはマリオ達の隣へワープしてきた。
 マリオ達は無事だったのかと一先ず息を吐きたいとこだが、仮面達がそうはさせてくれない様だ。

「待ちくたびれたぞ」

 ムジュラの仮面は子リンを見て言った。子リンは冷や汗を一筋流しながら口端を上げて奴を見る。

「悪いな。けど、遅刻者の俺を送ってくれた人がいるからな」
(送ってくれた人?)

 マリオは小首を傾げた。が、子リンがこちらを向いてウィンクをしたとこで、マリオは漸く理解した。そうだと分かると、自然と頬を緩めた。

「お前は見た目貧弱そうだ」

 ムジュラの仮面は子リンを見ながら言った。

「このお面をやるからさっさと強くなりな」

 そして目の前に光を放ち、お面を出した。それはゆっくりと子リンの前まで浮遊してくる。子リンは武器をしまい、それを両手に持つ。

「お望み通り、遊んであげるよ」

 そして、そのお面を顔へ被せた。すると子リンの体から、揺れるオーラが溢れてきた。

「こ、子リン……」

 マリオ達は静かに驚きながら子リンを見守る。
 お面をつけた子リンの体は、白いオーラを放ちながらみるみる成長してゆき、服も白へと変化する。白き鎧を身にまとい、巨大な剣を片手に持った。

「ナビィ! 子リンは一体、どうしちゃったんだっ?」

 マリオは、かなり変わった姿をした子リンに恐れ、少しだけ後退るとナビィに尋ねた。
 ナビィは子リンを見ながら答える。

「あの姿は──鬼神! 強い邪気を備え、全てのお面を喰らうと言われている仮面だわっ」
「さっき、鬼ごっこみたいな遊びをあいつらしてたな。ムジュラのやりそうなことだ」
「……遊びはまだ終わっていない」

 鬼神になった子リンはムジュラを見ながら呟いた。そして剣を前に構える。

「マリオさん、ナビィ、行くぞ!」
「うん!」
「ああ。やっと戦えそうだ」

 マリオは本格的な戦いを前に鳥肌を立たせて頬を緩める。拳をもう片手で握るとボキボキと鳴らした。

「お前達、遊んでやりな!」

 ムジュラがヒュッと下がると、スマブラが倒した四人のボスの亡骸(仮面)がマリオ達を囲む。

「ものすごーく嫌な予感がしまーす」

 マリオは奴らを見ながら汗を流していた。だが子リン──鬼神リンクは無言で奴らを見回す。
 暫くすると、亡骸の一つ──オドルワの仮面が光弾を放ってきた。マリオ達は素早くそこから離れた。

「フンッ!」

 鬼神リンクは巨大な剣を横に一振りした。すると、オドルワの仮面が横に真っ二つになり、消滅した。マリオ達はポカンとしてしまう。

「つ、強い……!」
「あれが、鬼神リンク。荒らぶる神よ」

 思わず油断してしまったマリオ達は、別の仮面の攻撃が後ろから来たのに気付かなかった。横を光弾が霞めたとこでマリオ達は気付き驚いてしまう。

「おぉっと! ゆっくり見物してる場合じゃないな!」
「ヘイ、マリオ! 奴らはとにかく攻撃すれば倒せる筈だわ! 光弾には十分気を付けるのよ!」
「ああ!」

 マリオはマントの裾を握りながら、先程マリオ達を攻撃したグヨーグの仮面に向かって走っていった。
 グヨーグは、さっきの大きいのとは違い、小さな光弾を連射して来た。マリオとナビィはあちこち動き回ってそれを回避する。

「戦法を変えたからって、攻撃がワンパターン過ぎて呆れるぜ!」

 マリオはマントを思い切り横へ振り払った。光弾は、振られたマントに当たるとこちらへ跳ね返り、グヨーグの仮面に命中する。グヨーグは自分の攻撃で消滅した。

「マリオさん!」
「!?」

 マリオが鬼神リンクの声に振り返った時、直ぐ後ろにいたゴートの仮面が、鬼神リンクに寄って切り裂かれた。

「び、ビビったあぁ!」

 マリオは見開いたまま胸を手で抑えていた。それを聞いた鬼神リンクはフッと笑みを溢す。

「それってゴートの仮面がいきなり来たことに対して? それとも俺の力に恐れて?」
「うーん、どっちもかな」

 マリオは顎を擦りながら難しい顔をして言った。
 とそんな時に、ツインモルドの仮面が体当たりをして来た。

「わっと!」

 マリオ達は慌てて離れ、奴の攻撃を回避する。

「くらえ! 特大ファイアボール!」

 マリオは両手を花の形にした後、大きなファイアボールを作って一気に発射させた。見事ツインモルドの仮面に命中し、仮面は焼失した。
 やっと、ムジュラ以外の仮面が全て無くなった。
 マリオは手をパンパンとはたいて埃を取りながらムジュラを睨んだ。

「さあムジュラ。今度はお前の番だ!」
「……みーんな鬼に捕まっちゃったか」

 そう言うと、ムジュラはゆっくりと近付いてくる。

「残りは俺だけか。じっくり楽しませてくれよ? ヒヒヒャハハハ……!」

 不気味な笑い声を聞きながら、マリオ達は技を構えた。










 ──to be continued──