宇宙の侵略者達 ネスを除いたファンシーズは、ソファで身を寄せ合い、スヤスヤと眠りについていた。ダンスパーティの後だから、皆疲れ果ててしまったのだろう。 二階の者とソファで眠る者以外の者は、テーブルについて話を交えている。 ネスの母は皿洗いをして後片付けをしていた。 「この平和な世界にも欠片があるなら、どこにあるんだろうな」 ファルコは腕と足を組んで考える。 「のんびり探してみるか?」 と、スネーク。 「その時間はあまり無い。ギガ軍に先を越される訳にはいかないからな」 と、メタナイト。 「平和な世界だもの。そのギガ軍さんも、たまには休息でもしているんじゃないかしら」 何気に彼等の話を聞いていたネスの母は、皿洗いをしながら呑気に言った。平和顔をしている彼女に、メタナイト達は笑んで息を吐く。 スネークはふと、向かい側にある窓から外を見た。 「……あれは何だ。獅子座流星群か?」 メタナイトとファルコも、スネークと同じ窓の外を見る。夜空には異常なまでに、沢山の流れ星が雨の様に降り注いでいた。 「それにしては何か妙だな」 ファルコは目を細めた。 「まるで何者かが地上に次々と降り立っている様に見えなくもない」 メタナイトはテーブルに手を付け、立ち上がり掛けの状態で見る。 「何かの予兆なのだろうか。それとも……」 「ママさんは知らないのか?」 皿を拭いているネスの母にスネークは問う。彼女は振り返ると、うーんと考え出す。 「流星群なら夫と良く見てたんだけどね。今回は凄いわね、何か」 「──不味い予感がしてきたぜ」 ファルコは窓へ歩いて近付く。 「!?」 ネスは突然ビクッと肩を上げた。肩にいたどせいさんも、彼がいきなり動いたので小さく跳ねてしまう。 「っ? どうしたの、ネス?」 ラフィットはネスを見て目を丸くした。だが周りからの声が聞こえない様な状態のネスは、震える自分の肩を抑えていた。冷や汗も流れている。 (何だこの感じ。凄い嫌な予感がする……っ) 心で誰かが名前を呼んだ様に聞こえた。ほんの僅かなボリュームだったのだが、その時の周りは何故か無音だったので、心に酷く響いた。 確か、ずっと前に倒した、遠い過去の──。 ──……ス……ン……。 「あの流星群は!」 突如マーシスは立ち上がり、窓の外を睨んだ。 「な、何か悪いことでも起こるの?」 トレーシーはハラハラしながらマーシスに尋ねた。マーシスは顔を動かさずに答えた。 「あれはただの星ではない。敵の襲撃だ!!」 一階にいたファルコ、スネーク、メタナイトは、バンッと音を立てて扉を開き、外へ出た。するとそこに、銀色に輝く大きなダイヤの様な浮遊物があった。ファルコ達は即座に各々の武器を構え、戦闘のスタンバイをした。 ダイヤから光が放たれ、それは形となる。やがて赤いタコの様なロボットの姿になった。 「何だありゃあ? まるでタコじゃねーか」 ファルコは目を丸くしてポカンとしていた。そこへメタナイトは前に出るとファルコに答えた。 「そう、奴の名はマル・デ・タコ。宇宙に関する本で見たことがある」 「……けっ。洒落たネーミングだな」 「茹で蛸に出来れば、俺はとことん張り切るが?」 スネークはニキータを肩に掛けた。 メタナイトはそんな二人の為に続ける。 「この惑星外生命体の先祖は、相当なパワーを備えていたと言う。タコだからとは言え、油断してはならん」 「──俺は敵に対してはいつだって本気だぜ?」 ファルコはニヤリと笑み、ブラスターをジャキッと構え直した。 「見た目はロボット臭いから茹で蛸は無理そうだがな」 スネークもニキータを構え直し、狙いを定める。 マル・デ・タコは体内へエネルギーを溜め始め、そして一気に解放した。三人が避ければそれは間違いなくネスの家へ直撃する。 「くたばりやがれ、オクトマン!」 ファルコは腰に付けているリフレクターのボタンを押し、現れたバリアを前方へ蹴飛ばす。キックされたリフレクターはマル・デ・タコの技を思い切り弾き返した。マル・デ・タコは大袈裟に驚きながら、自分の技を諸にくらい、爆発して消滅した。 終わったかと思い気や、次のダイヤが現れる。今度は人の形をした様な銀色の敵だ。 「今度はヒトデか?」 スネークは言った。 「ギーグ様の命令。ギーグ様の命令」 相手は、良く聞く宇宙人の口調で喋り始めた。 「この町は我々が占領する。大人しくすれば、命は取らない」 「俺達が素直に、はい、そうですかと言って退くとでも思っているのか。あ?」 腕を組んだファルコは、冷ややかに細めた目で、敵を思い切り睨んだ。 「ならばその口を黙らせよう」 相手は手を上に掲げ、黄色い光の弾を作り出す。 「我が名を覚えておくが良い。スターマンだ!」 そして巨大なビームが放たれた。 と同時に、家の二階の窓から少年の影が飛び出した。彼らの前で着地し、直ぐに立ち上がっては手を前に突き出す。 「サイコシールドΣ!」 すると、少年とファルコ達の前に巨大なシールドが現れ、スターマンのビームを掻き消した。 「……中々の腕前だな、PSIの能力者よ」 スターマンは、シールドを作り上げた少年──ネスに言った。 だがネスは変わらず怒った顔をしている。 「サンキュー、ネス。助かったぜ」 ファルコはウィンクをした。ネスは彼に振り向き、ニッと笑んで軽く頷いた。 「にしても、攻撃してくる宇宙人か。恐ろしい生命体だな」 スネークはそう言うと、ニキータを使い、敵に向けて小型ミサイルを発射した。だがミサイルに当たる直前にスターマンはその場からヒュッと姿を消し、スネークの後ろにワープしてきた。 「ただの人間ごときにやられる私ではない」 「蛇のおじちゃん!」 「!」 ネスが叫び、スネークが身を素早く屈めると、彼の上をスターマンのパンチがかすった。だが、スネークがしゃがんだのは、奴の攻撃を避けるだけでは無かった。 「何!?」 スターマンの目の前に、先程スネークが撃ったミサイルが戻って来たのだ。スターマンは直撃をくらい、顔が爆発に巻き込まれよろめく。スネークの使ったニキータはリモコンミサイルなのだ。スネークは奴がミサイルを避けるのを、予め予測しておいたのである。 「スターマン! くらうが良い!」 「うお!」 メタナイトはマントを大きく広げ、油断したスターマンの顔を覆う。スターマンの視界は一時暗くなった。 「フンッ!」 メタナイトはギャラクシアを握り、素早い連続攻撃を仕掛ける。全てクリティカルヒットし、スターマンに大ダメージを与えた。 「ぐわあああぁぁ!!」 スターマンはその場で消滅した。 「ファルコ! スネーク! メタナイト! ネス! 大丈夫か!?」 マリオの声が聞こえ、家から残りのスマブラが現れたのが分かった。無論、眠っていたファンシーズも、外の騒ぎに目を覚ました。 「リンク、寝ていなくても良いのか」 メタナイトはリンクもいたのに驚く。リンクは笑んで首を縦に振った。 「お陰さまで、大分回復しました。もう大丈夫です」 「ならば良い。だが、早速大変な戦いなんだぞ?」 「皆の世界の平和の為に戦う。それがスマブラです。俺もその一人だから、戦う義務があります」 「……分かった」 「流れ星の雨、まだ止まないね」 カービィは夜空の流星群を見上げる。 「! あの方角は……オネットとツーソン!」 フォックスは、ヘルメットに取り付けている小型モノクルで、流れ星の方角を見ていた。すると、その流れ星の行き先が分かったのだ。 「いや、それだけじゃない。あの星の範囲はもっと広がる筈だ」 「大変だ、早く行こう! 皆が危ない!」 「ピィッチュ!」 「ピカッピ!」 カービィが声を上げると、ピチューとピカチュウは怒りを込み上げて頷いた。 「よし、二チームに分かれよう」 今はマリオ、フォックス、ファルコ、ネス、リンク、スネークはオネット。プリン、ピカチュウ、ピチュー、カービィ、メタナイト、マーシスはツーソンへ向かうことになった。 「──!」 ネスの心に何かが飛び掛かって来た。覚えのある感覚。それはラフィットと初めてオネットで出会った時と同じだった。 (ネス、ごめん。ネスのママに見付かると厄介かも知れないから、僕この家から出るよ) (ラフィット、駄目だよ! 家にいなくちゃ……!) (……本当にゴメンね……) 意味深な謝罪を聞き、そこでテレパシーは途絶えた。 (! ラフィット? ラフィット!) 「ネス、何してんだ。早く行くよ!」 気付けば、マリオ達は既にかなり遠くまで行ってしまっていた。少し向こうでマリオが手を振っている。ネスは最初、ラフィットとオネット、どちらを優先するかなどと考えてしまった。今は後者を選ばざるをえないのだが、ネスは一時迷ってしまっていた。 歯をくいしばるが、今は自分達の世界を救わなきゃと、流れ星が降り注ぐ夜空に見守られながら、ネスは彼等のもとへダッシュしていった。 オネットは近いので、すぐにたどり着いた。 オネットには既に、何十匹もの宇宙人がこの町にいた。外にはそれ以外、人っ子一人いない。皆家の中へ避難したに違いない。 「マーシス達は安全地帯をくぐってツーソンまで行って。フォックス!」 マリオに名を呼ばれ、頷いたフォックスは、再び小さなモノクルを使い、オネットからツーソンまでの道のりを確かめた。 「……駄目だ、オネットは完全に敵に囲まれている」 「くっ! 何としてでもツーソンで敵の繁殖を抑えねば、このままのスピードならばすぐに全世界に広まるだろう」 メタナイトがそう言うと、 「しょれは簡単に言うと……」 「世界征服じゃん!」 プリンが次を言う前にカービィが慌てて話した。それにメタナイトは躊躇い無く頷いた。 とその時、何者かがマリオ達の前を一気に走り抜けた。マリオ達は突然のことに肩を跳ねらせたが、今は気にしなかった。 「皆、さっきぶり!」 そこに現れたのは、ダンスパーティで一緒だった、ネスの友達だ。 「ポーラ! ジェフ! プー!」 「ネス、私達も一緒に戦うわ」 「ありがとう、皆!」 「……」 フォックスは、今のを見てピンときた。 「プー、今の、もしかしてテレポート?」 「ん? ああ、そうだ。良く見切れたな」 「プー、頼みがある。彼等を、テレポートでツーソンまで送ってくれないか? ツーソンでは敵がどんどん増えてる。ここで食い止めなくちゃ世界が危ないんだ」 「そうなのかっ? 分かった、俺につかまって! それに続いて皆並んでくれ」 「よしっ」 ツーソンのチームではプーの肩に捕まったのはピカチュウで、それに続き、ツーソンチームは次々と前の人の肩を掴んだ。 「ではマリオ達、オネットは任せたぞ」 最後に掴んでいるメタナイトはマリオ達に振り向くとそう言った。 「おうっ、任せとけ!」 マリオは歯を見せながら笑み、親指を立ててみせた。 「それじゃ、確りとつかまってろ!」 プーはその場で足を動かし始めた。そしてエネルギーを体内へ吸収し、一気に走り出した。それに引かれながらツーソンチームもスピードを上げてゆきながら走っていき、そして消え去った。 「テレポート、正か走るだけに終わる訳ねーよな」 腕を組みながらテレポートを見ていたファルコは呟いた。 「ないないっ。ちゃんとワープしてるから安心して」 ネスは呆れた笑みを溢した。 「じゃ、そろそろこちらも、突撃開始と行きますかっ」 マリオはペロッと舌を出し、拳の骨をボキボキ鳴らした。 「……」 「? ネス、何考え事をしてるんだ?」 ネスのその様子に、フォックスは心配そうに話し掛けた。ネスはハッとし、フォックスに慌てて微笑んだ。 「ううん。それより、早く宇宙人達を追い払わなきゃねっ!」 ネスは先に走り出し、マリオ達も続けて走り出した。フォックスも軽く肩をすくめ、地面を蹴った。 ネスは走りながらも、彼のことばかり思い出していた。 (ラフィット……) 丸く白いゴツゴツな体をしており、顔は青いカメラのレンズの様な宇宙人がマリオ達の前に立ちはだかる。 「何だあいつ!?」 「あいつはスーダララッタだ」 フォックスは、モノクルの端を軽く摘んでは目の前の敵を分析し、説明を始める。 「中々の強者みたいだ。油断はしちゃ駄目だぞ」 「大丈夫、今の私達なら、きっと勝てるわ!」 ポーラはフライパンを片手にスーダララッタを指差した。 「僕の開発したビームが試される時だっ」 ジェフは大きなビーム砲を肩に担いだ。 「行くぞ、宇宙人!」 マリオは溜めていたファイアボールを手から連続で放った。それは真っ直ぐにスーダララッタの方へ向かっていく。 「世界征服の、邪魔はさせん」 スーダララッタは細長い手を上へ掲げ、パワーを溜め始めた。そして前へ突き出すと、奴の周りにシールドが貼られる。マリオのファイアボールはシールドで全て弾き返されてしまった。 「な! うぅわっ!」 マリオは、帰ってきた自分の技を慌てて避けた。マリオの装着しているマントの端が多少焦げてしまう。 「マリオさん! 大丈夫ですか!?」 「ああ。マントが一寸焦げただけだ」 「邪魔者は、死、あるのみ」 スーダララッタは今度は別の光を作り出した。それは次第にでかくなり、巨大な弾になる。ファルコはその間、腰に下げているある物をグッと握る。 スーダララッタは巨大なビームを発射させた。 「サイコシールドΣ!」 「サイコシールドΣ!」 ネスとポーラはとっさに前に出ると、二人同時にシールドを作り上げた。すると二重シールドとなり、ビームを押さえ付けられた。 スーダララッタのビームはかなりの威力なので、もしも一人だったら、このパワーを抑えるのは不可能に近い。これは、PSIを活用して生まれた作戦なのである。 「お前のビームを返してやるぜ!」 ファルコは、掴んでいる多角形の小さな機械の、真ん中にあるボタンを押し、それを前へ向かって蹴り飛ばした。多角形のシールドがビームに当たると、ビームは弾き返され、スーダララッタに命中した。 「グオォォ……!」 自分の技を諸にくらったスーダララッタは怯む。 「行くぞ! 先ずはこれだ!」 ジェフは砲を構え、ビームを発射した。 「にじいろビーム!!」 そう叫ぶと、文字通り虹の色をしたビームが一直線に放たれる。そしてそのビームはスーダララッタにとどめをさした。 「グアアァ!」 スーダララッタは焼き払われ、消滅した。 「綺麗な火炎放射器だな」 スネークは軽く口笛を吹いた。 「本当、中々の強敵だ。二人組を作ろう」 そして、マリオとスネーク、ネスとフォックス、ファルコとリンク、ポーラとジェフに分かれた。 「行くぞ、スネーク!」 「了解」 「狐のお兄ちゃん!」 「ああ」 「リンク、いっちょ暴れてやるか!」 「はい!」 「ジェフ、行きましょうっ」 「うんっ」 各々別々の方向へマリオ達は走っていった。 「愚かな侵略者ども、ここから消え去れ!」 翼で低空飛行をしているメタナイトはギャラクシアを振り上げる。そして宇宙人とすれちがった。宇宙人はギャラクシアに寄って真っ二つになり、消滅した。 「……流石に増殖元の町だと敵の数も測り知れん……」 敵を倒した直後のマーシスは、メタナイトの側までスライディングしてきた。 「でも思ったより雑魚ばかりだから楽勝だよ!」 ハンマーを片手にカービィが飛んできた。後にツーソンにいるファンシーズが集まってくる。 「このまま一気に片付けちゃえばこっちのものだよっ」 「……そうだな。全滅させることが出来ればの問題だが」 「出来るよっ、皆で力を合わせれば……」 「んなことしたらスリルなくってつまんないじゃん」 頭上から突如別の声が聞こえ、その上、強い殺気を漂わせた。 全員上を向くと、満月をバックに浮遊している少年がいた。そいつはいやらしい笑みを浮かべてこちらを見下ろしている。 「やはり貴様らもこの世界へ来ていたか」 マーシスは、仮面の裏から思い切り睨み上げていた。ファンシーズはディバの強い殺気に身を震わせていた。 「スリルが無いとつまらないだろうから、一寸手伝いでしてあげようかなと思って」 「余計なお世話だ。貴様達に手伝いなどされたくはない」 「そうでしゅそうでしゅ!」 「ピカアァ……ッ」 マーシスが言うと、プリンとピカチュウは返事をしてディバを見た。 「僕一人でも良いけど、死んじゃうよ? 君達がね」 「ピッカアア!」 ピカチュウは頬袋に溜めていた電気を一気に解き放った。巨大な電撃がディバを襲う。そして直撃した。 「ピィカ!」 「やったあ!」 二人は嬉しさのあまり、一度踊っていた。 だが煙が晴れると、 「ピ!?」 「成程、オリジナルの力はこんな程度なのか」 ピンピンしているディバがいた。多少汚れた服を軽く叩きながら言う。 「君達には残念だけど、僕が戦いたい相手はあの紫髪のお兄さんなんだよ」 ディバが指を差した先へスマブラは振り向く。案の定、マーシスのことだと直ぐに分かった。 マーシスは無言で剣を構えた。 「私との戦いを望むならば、私以外の者には手は出さんと誓え」 剣先をディバに突き付けた。ディバは暫し黙った後、口端を上げ、 「嫌だと言ったら?」 すると、彼の目の前にマーシスの姿が。ガキィンと剣が交わされる。 「ここで戦闘不能にし、二度と動けぬ様にしてやろう」 「ほほう? やれるものならやってみな!」 ディバは剣を弾き、二人は着地した。 「メタナイト、皆を連れてここから離れるんだっ。宇宙人達を何としてでも止めなくては!」 「……ああ、分かった」 「マーシス、死ぬなよ」 メタナイトが皆を連れていき、最後にプーがそう言うと、彼も去っていった。 「君は偉いねぇ、サシって言葉を理解してる」 「決着はつくか分からんがな。いざっ」 「! うぁ……!」 「ネスっ?」 敵を倒しながら駆けている時、ネスは急に立ち止まり、辛そうに頭を抱えた。急に再び、脳内に何かが流れ込んで来たのだ。ノイズと共に、頭の中で囁かれる。 ──ス……サン……ネス……サ……。 (やだ、やめてよっ……!) 聞き覚えのある気味悪い声で名前を呼ばれていて、ネスは震えた。 「やめ……やめてえぇ!!」 「ネス!? 待て!」 急に走り出したネスに驚いたフォックスだが、驚いている暇など無い。あんな状態のネスだから放って置ける筈が無く、急いで後を追った。 (──!?) ネスはふと路地裏の方を見た。すると偶然、何か影が通り掛かった様に見えた。その影には見覚えがある。 「ラフィット!」 頭痛が治った後、ラフィットの影を見付けたネスは路地裏へ入っていった。 後にフォックスが走ってきたが、どうやら見失ってしまったらしい。 「ネスー! どこにいるんだああぁ!」 幾等叫んでもネスからの返事は無い。フォックスに焦りが出る。 そしてハッとした。気付けば自分は、何体もの敵に囲まれていた。フォックスは彼等を睨みながらブラスターを構えた。 「そんなに遊んで欲しいなら……幾等でも遊んでやるぜ!」 「ラフィット!」 高い崖の上で、ラフィットはネスに呼ばれると、ピタッと立ち止まり、振り向いた。ネスは息が上がっているが、ラフィットを捕まえると、そんなことも気にしなかった。 「やっと見付けた。心配したんだよ!?」 「ネス……」 ラフィットは血の色をした目を悲しい色に染め、うつ向いていった。 「ラフィット、大丈夫だって言ったじゃない。こんなとこへ来たら危ないよ」 「分かってるけど、でも僕……」 「そうだ。ラフィット、一緒に戦おうよ! この世界は今大変なことになってるんだ!」 「うん、知ってる」 ラフィットは顔を上げぬまま答える。ネスは話すことに夢中で彼を見ない。 「宇宙人が侵略してきたんだよ。力を貸してくれないっ?」 「それは構わない。でも……」 ラフィットの最後に濁した言葉はネスには聞こえない。 「良かった、ありがとうっ。さあ、オネットへ戻ろう!」 それを知らないネスはクルッと背中を向けた。 「でも、僕……」 ラフィットは静かに呟き始める。手を握り、体を震わす。それに気付かないネスは歩いていく。 それを見守っていたラフィットだが、人差し指の先から火を作り、ネスに向けるとそれを発射した。 「え──?」 後ろから嫌な気配を感じたネスは、ゆっくりと振り向いた。目に映ったのは、炎の光線。 そして、オネットの端の崖辺りから、赤い光が放たれた……。 ──to be continued── |