縁








「皆、こっちだっ」
「ピチッ」

 いよいよマリオ達は、最後の親玉であるマザーブレインのいる所へ向かおうとしていた。
 サムスは、皆を先導しながら走っている。ピョンチーも、あちこちの障害物を越えながら、跳ねる様に駆けていく。マリオ達は彼女達を見失わない様、全速力で後を追った。
 仲間にも掛かる危険なトラップや生き物が未だ潜んでいる為、サムス達の動きについて行かなければならないのだ。

「そう言えば……」

 マリオは走りながら、ふと何かを口にしようとしていた。マリオを肩車にしているピカチュウは耳を動かし、マリオを見下ろす。各々隣を走るスネーク、そしてマーシスも、スピードを緩めずにマリオを見た。

「サムスって、良くこの惑星(ゼーベス)に来ていたのかな? 僕から見るとこの惑星、空気も悪いし、雨も酸性が凄く強いのだし、変な生き物も棲みついてるし……」
「……それらを纏めて言い換えれば、俺達生物には住める様な星じゃ無い、と、そう言う事か?」

 スネークは、マリオの言いたい事を解釈した。マリオはスネークを目線だけ向けると、首を縦に振った。

「それなのに、サムスと……ピョンチーもかな? この惑星を殆ど知り尽くしてる様に見える。良く調査とかしに来ていたのかな?」
「ピィ……カ?」

 ピカチュウは、マリオのその話に首を傾げた。ピカチュウも恐らく、彼の話を聞いた後は、同じく疑問を抱いているのだろう。リドリー達と戦っている間にサムスの話は聞いていたものの、詳しいとこまではまだ解らない。
 サムスもマリオ達とは長い付き合いだが、全てのことを彼等に告白している訳では無い。信頼出来る仲間だろうと、秘密は誰もが持っているものなのだ。
 それでもここまで来ると、やはり彼女達のこの事を気にならない訳にはいかなくなってしまう。

「私が思うに……」

 何かを話そうとするマーシスにマリオ達は振り向いた。マーシスは、サムス達の背中を見守りながら口を開いた。

「サムス殿は、この惑星とはゆかりの関係を持っているのかも知れぬ」
「ゆかり?」
「そうで無ければ、調査のみに来ても、知り尽くすまでには恐らく至らないだろうからな」

 マリオ達に顔を向け、そう言った。

「確かに……」

 そう言われるとマリオ達も納得出来るが、まだ完全にとは無論言えない。それは、マーシスも同様だ。

(ゆかり……縁……その言葉が、最も言えているのかもな……)

 スネークは顔を前に戻し、サムスを凝視しながら思った。
 そして彼は今、鳥人像を思い出していた。あの像がスネーク達に見せた、サムスの過去、そして、パワードスーツのパワーアップの為のカプセル。あの像も、彼女と何らかの関係性がある事は間違い無い。スネークは、そう睨んでいた。
 暫くすると遂に、マリオ達は来たのだ。
 宇宙を征服しようと目論む元凶──マザーブレインに。

「スマッシュブラザーズ……正かここまで来るとは、計算外でした」

 部屋の真ん中に設置されている巨大カプセル。巨大な脳に一つの目玉をした生物は、その中から話をしていた。

「ななな何あれ!? 凄く気持ち悪いんだけど!」

 カービィは目をギョっとさせ、フォックスの後ろに隠れながら指を差した。

「貴様が狂気の支配者、マザーブレインか」

 既に身構えた状態で、マーシスは問うた。

「なるほど、ディバ達の言う通り、アナタ達は確かに危険そのもの。そして、性懲りもなくまた来たのですね、サムス・アラン」
「え、サムス?」

 マリオ達は、話を振るわれたサムスに振り向いた。だがサムスは、皆の視線に僅かな動じさえ見せず、唯々マザーブレインを睨んでいた。

「アナタ達が知らないのならば、冥土の土産に教えてやりましょう」

 巨大な目玉がマリオ達を睨め回す。
 そして、こう言ったのだ。

「サムス・アランは、元々この惑星ゼーベスで育ったのだと」
「なっ……何だって!?」

 マリオ達は思わず声を上げた。普通の生き物が棲めそうに無い、この様な惑星でサムスは育った。そんな話を初めて聞いたメンバーは多く、サムスに酷く驚くばかりだった。一体なぜ、彼女が……?

「く……」

 その事実を知られたく無かった為に今まで黙り通していたサムスだが、マザーブレインがそれを言った故に密かに顔を歪め、マリオ達から顔を伏せる。

「両親を失ったサムスは、嘗て惑星ゼーベスに住んでいた鳥人族に拾われ、ここで鍛えられたのです。
 仲間であるアナタ達が初めて聞いたのは、今では我々の要塞となっているこの惑星で育ったことを、彼女は表沙汰にしたく無かったからなのです」
「サムス……」
「……」

 マリオが静かに名前を言うも、サムスは極僅かに震えた儘、何も言う気配は無かった。

「私は鳥人族の中枢として作られた、生命コンピューターです」

 そう言ったマザーブレインに、マリオ達はまたもや疑問気に困惑した表情をしながら、マザーブレインを細目で睨む。

「私はこの銀河を統一する為に必要とされる、完璧な存在の筈です。しかし……サムスの力や能力が私よりも勝るのはどう言うことだ。人間と言う、非力で下等種族の一人に過ぎない彼女が、高々鳥人族の遺伝子を受け継いだだけの、人間である彼女が何故なんだっ」

 元々コンピューターで作られたものと言えど、その声からは憎悪が滲み出ていた。

「私はそれを認める訳にはいかないのです。下等種族が私に勝るなど……」
「! そうかっ、つまり貴様は……」

 その話を聞き、瞬時に怒りを顔に露わにしたフォックスは、一歩前へと踏み出すと声を上げた。

「サムスを消す為に、宇宙海賊に寝返ったって訳だな!?」
「……ライラット系の獣人族は、どうやら頭の回転は良い様です」

 マザーブレインは暫しの沈黙の後、静かにそう言った。フォックスをその場から分析したらしい。

「宇宙征服、そして、サムスを消す為に……」

 今まで顔を伏せていたマリオは、低い声でそう言った後、フォックスと同じくの怒り顔を上げ、マザーブレインを真っ直ぐに睨んだ。

「沢山の犠牲を出したって言うのか! ダイバンの人々も、宇宙海賊も、そして、メトロイドも!!」

 そして指を突きつけ、怒りに任せて叫んだのだ。

「危険生物と言えど、奴らも本意じゃねぇんだろうしな」

 ファルコは口端を吊り上げながら肩を竦めた。

「だから、ここでお前を倒し、目論見を食い止める! そして、ベビーメトロイドも助け出す!」
「……マリオ……?」

 サムスはマリオの横顔を見据える。何故か不安と同時に、どこか不思議そうな目をしていたのだ。

「ア、アナタ達は、なぜサムスの過去に動じないのです」

 正にサムスの今の気持ちを、マザーブレインが言葉にしていた。

「ん? それがどうした?」

 マリオは寧ろ笑みを浮かべ、そう言ってやった。

「元々お前と同じく極悪人だった奴も、こっちの味方にいるんだけど? 奴らはギガ軍に反対する人ばかりでね。
 それに、サムスのお陰で僕達は、ゼーベスに棲息する生き物や罠の餌食にならずに済んだんだ」

 そう言ってくれるマリオに、サムスはヘルメットの中から見開いた。マリオはこちらに一端視線を向け、無言でパチンと片目を閉じた。

「驚いたのは驚いたけど、だからって仲間じゃ無くなるってことは、悪いけど更々無いね。そして、ギガ部隊と手を組み、この銀河系を支配しようと企むマザーブレイン、お前は僕等で必ず吹っ飛ばす!!」
「アナタ達如きで、本当に私に勝てるとでも? アナタやアナタも、種族や民間戦争で差別を受け続けた、人間族同等の位の癖して」

 そう言われたモークとクリーツは、僅かに眉をピクリと動かす。

「下等は下等として、上を敬うものなのです。宇宙統一を邪魔するゴミ共は、始末しなければなりませんね」
「脳味噌でっかいからって、偉そうにふんぞり返ってんじゃねーよ、マザーブレイン様とやら」
「何?」
「クリーツ!」

 フォックスと同じく、クリーツも一歩前に出た。今はニヤニヤと怪しげに笑った表情だが、怒りの感情を、目に見えずとも、皆には感じていた。

「生まれが何だ、育ちが何だ、差別が何だ!! それぞれ生き方が違うのは当たり前だ。そんな彼等を何も知らずに下等扱いするお偉いさんに、どうこう言われる筋合いはねえ!!」

 クリーツは武器を握ると、マザーブレインに最初に飛びかかった。

「何!?」
「でりゃあああああ!!」

 思い切り武器を振るうと、マザーブレインを覆うカプセルが、音を立てて崩壊した。

「クリーツ、やめろ! 奴は……」

 サムスが慌てて止めようとしたが、背後から肩を掴まれた。素早く振り返ると、そこにはスネークがいて、首を横に振っていた。

「スネーク……!」
「止めても無駄だ。今は、俺達がやるべき事をやるんだ」
「ん? 待て、マザーブレインの様子が変だ」

 メタナイトが不意に声を出し、全員がマザーブレインを見やる。
 クリーツの一撃の拍子で外に引きずり出されたマザーブレインは、僅かに戦慄きを見せた後、辛うじて動かす目をマリオ達に向ける。

「こ、この私を愚弄しますか……ならば、後悔させてやりましょう!!」

 突然辺りが、巨大地震の如く大きく揺れ出したのだ。

「うわわ! な、何だ何だ!?」

 そしてその揺れに寄り、彼等の立っている床一面が、一気に崩れ落ちた。

「うわああああ!?」

 マリオ達は一階から地下へと真っ逆様に落ちて行き、地下の薄暗い大広間まで来た。何とか全員、無傷で着地に成功した。
 そしてマザーブレインは、べちゃっと、気味の悪い音を立てて、マリオ達の前に着地した。

「フフフ……メトロイドの最終実験、後少しで完成する……」
「えっ!?」

 マリオ達は驚いた。その言葉は、恐らくベビーメトロイドを差すのだろう。最終実験って、まさか……!?

「それさえ成功すれば、私以外奴を破壊する者は出ません。その邪魔だけは……させませんよ……ハハハハハ!!」

 すると、マザーブレインのいる床下から何かが現れ出した。それはマザーブレインと一体し、奴は胴体や手足を得たのだ。

「なっ!? マザーブレインが更なる怪物に……!」
「ここが貴様達の墓場だ。大人しく私の餌食となれ!」
「くっ!」

 とにかく奴を倒さなければならないっ。
 マリオ達の気持ちは一致し、全員攻撃体制に入った。

「皆、奴の弱点はあの脳よ! そこに集中して攻撃すれば倒せるわっ」

 ナビィがそう言うと、マザーブレインがこちらを睨みつけて来た。目が合ったナビィは、ビクッと羽を揺らす。

「ありがとう、ナビィ。俺の帽子ん中に隠れてて!」

 リンクが微笑んで言うと、ナビィは頷き、彼の帽子の中へ入った。

「行くぜ、でか脳味噌!」

 マリオは地面を蹴り、思い切り飛び立った。サムスらも武器を構え、床を蹴る。

「小賢しい!!」

 マザーブレインはマリオに向け、光線を次々と放った。

「ふんぬ!」

 マリオはそれらを避けて行き、握り拳から炎をたぎらす。

「くらえ!!」

 その時、マリオは油断をしてしまう。気付いた時は、真横からマザーブレインの拳が素早く飛んできた。

「ぐあ!?」

 マリオは呆気なく吹っ飛ばされ、壁に激突してしまう。

「マリオさん!」
「ピッカァ……!!」

 ピカチュウは怒りを露わにし、強力な十万ボルトを一気に放出した。サムスはそんなピカチュウの隣へ来ると、その場から地面を蹴り上げ跳躍する。

「おのれ……!」

 ピカチュウの攻撃に気を取られる中、マザーブレインはサムスの気配に気付かない。

「こっちだ!」
「!」

 彼女の声に顔を上げれば、その時は、サムスがミサイルを何発も放った時だった。そしてそれらは、マザーブレインへ全て命中した。

「グアオオォ……!」

 脳味噌から煙を出し、マザーブレインはもがいた。だがそれは直ぐに治まり、一つ目がサムスを真っ直ぐに睨み付ける。

「サムス……サムス……サムス! アナタから始めに倒さなくては!」
「!」

 マザーブレインの足が、一息で蹴りを繰り出して来た。その時のサムスは着地するとこである為、奴の攻撃を諸に受けてしまう。

「うあ!!」
「サムス! こんの野郎!!」

 漸く動ける様になったマリオは、マザーブレインを思い切り睨みつけ、皆と共に攻撃を再開した。

「サムス!」

 そんな時、サムスが壁に激突する直前、スネークが間に入ったのである。それで幸いサムスは強い衝撃を受けなかったものの、そんな真似をしたスネークに見開いてしまう。

「何とかっ……間に合ったな」
「ス、スネーク!? 何をして……!」

 スネークはサムスをジッと見た後、片目を閉じて言う。

「さあな。ただ、この儘激突していたら、サムスは助からなかった。それだけは言って置こう」
「そ、そうか……礼は言う」
「ふっ」

 顔を逸らしながら紡ぐ彼女に、スネークは笑みを浮かべていた。

「蛇のおじちゃん!」
「サムス! スネーク! 大丈夫!?」

 そこへ、ネスとカービィが駆け付けた。

「ネス、スネークを手当てしてやってくれ」
「うんっ」
「……」
「サムス?」

 急に黙り込んだサムスに、カービィは心配そうに覗き込む。
 そしてサムスは、ゆっくりと口を開いた。

「私は……私は本当に、皆の役に立っているのか? マリオ達に迷惑ばかり掛けて、過去を思い出すだけで苦しみ、戦闘力を失ってしまう私なんて……唯の足手纏いにしか思わないっ」

 悔しくて悔しくて溜まらず、サムスは涙を零しながら、床を何度も叩き続ける。

「何がスマッシュ戦士だ! 何が賞金稼ぎ(バウンティハンター)だ! こんなんじゃ、何をしても空回りだ。何を頑張っても無駄なんだ!」
「無駄なんかじゃ無いよ!!」

 そう声を突如荒げたのは、何とカービィだった。サムスの他、スネークにネスまで、カービィの意外さに少し見開いていた。
 それでもカービィは気にせず、溢れそうな涙を必死で堪えながら話した。

「サムスは僕達の為に色々と頑張って来たじゃんっ。ここまで辿り着いたのはサムスのお陰なんだよ? 忘れちゃったの!? だから今、隊長達は戦えるんだよ? サムス達の世界を、ううん、未来を助ける為にっ! それなのに、サムスが頑張れなくてどうすんの!?」
「カ、カービィ……」
「それに……」

 カービィはサムスの目の前に立つと、彼女を見上げこう言った。

「ジョディが言ってた、『頑張りなさい』って。それをサムスに伝えて置いてって、僕に言ったんだよっ」
「ジョディ……ジョディとは、まさか……」
「C・ファルコンの世界の者だ」

 スネークが言うと、カービィは頷いた。

「だからサムス! 隊長達の為に、サムスも諦めちゃ駄目っ!」
「……あの宇宙連邦の……警察隊隊長が……」
「だが、頑張り過ぎも程々にな。俺の体が保たなくなる」

 スネークが皮肉る様に笑んで肩を竦めるが、サムスは目を見張るばかり。そして何かに気付いた。

「まさか、ダイバンで私を助けてくれたのも……」
「……ま、サムスに死なれたら、俺達も困るからな」

 彼らの言葉を聞いた後、サムスは目をふっと綴じる。

(宇宙連邦で、私が独立する事に反対していた者が多い中、彼女だけが私の言葉を受け入れてくれた。私に応援の言葉を掛けてくれた……彼女は今も私のことを……こんなところで、挫けてはダメだな……)

 その時、空気が痺れる程の衝撃と音が突如響いた。

「うわ!」
「隊長!」

 彼女達の近くで体を床に滑らせたマリオに、カービィ達は慌てて駆け寄る。

「くそっ!」

 マリオは、少々血を流す口端を片手で拭いながら、マザーブレインを睨みつける。

「所詮、下等は下等です」

 マザーブレインはマリオ達を見下しながら、目玉を僅かに歪める。
 周りを見れば、他の仲間達もかなり苦戦している状態だった。

「くそったれ! これだけ掛かっても歯が立たねえとか、普通じゃねえ……!」

 跪き状態のファルコは苛立ち舌打ちした。

「今すぐ土下座をして命乞いをすれば、助けてあげないでもありませんが……」
「うるせえ!」
「諦めてたまるかよ、死んででも!!」
「皆……」

 彼等を見ていたサムスは、カービィへ顔を向ける。カービィは彼女に気付くと、笑顔の中、星を飛ばしてウィンクした。それにサムスは頷くと、ゆっくりと立ち上がる。

「俺も行こう」

 同時に立ち上がったスネークに、サムスは振り返る。

「ネスのお陰で、大分楽になった。戦うなら、死力を尽くすまでだ」

 感謝の意を込めてか、ネスの頭を撫でてからスネークは歩き出す。撫でられたネスは、僅かに頬を染め、微笑んだ。
 スネークが隣へ来た時、彼を見ていたサムスは、静かに目を閉じ口を開く。

「ありがとう、スネーク」
「ん?」
「私が動けない代わりに、リドリーと戦ってくれて。そして……」

 パワードスーツの自分の手を見下ろし、ギュッと握る。

「これを、鳥人族の代わりに届けてくれたことも」
「……スマッシュ王国にいた頃の、借りは返したからな」

 大怪我していたスネークの面倒を見てくれた時のことである。スネークはそれを話し笑みを零すと、サムスも、フッと鼻で笑った。

「行くぞ! 私達も、頑張らなければなっ……!」
「了解!」
「僕らも行くよ!」

 カービィとネスは、そう言いながらサムス達の側に行く。
 そして四人は、床を蹴った。

「PKサンダー!」

 ネスはヨーヨーを構え、そこから電流を放ちながらヨーヨーを飛ばした。ヨーヨーのリーチではマザーブレインの弱点までは全く届かないが、気を逸らすには十分だ。
 電流を連れたヨーヨーがマザーブレインの体に当たるが、やはりノーダメージ。奴の目がこちらを睨む。

「聞き分けの悪い子供ですね」
「それは、ごめーんね!」
「!」

 そこから、ワープスターをサーフィンにしているカービィが、高速で向かって来た。だが体当たりすると思いきや、ギリギリで他の方向へ急カーブする。それを繰り返し行い、マザーブレインを錯乱させる。

「ちょこまかとしつこい蝿ですね」
「うわ!?」

 しかし相手が手を伸ばすと、カービィは呆気なく捕らわれてしまった。必死で暴れるが、巨大な手はびくともしない。

「貴方から捻り潰してやりましょう」
「そうはさせない!!」

 サムスの声に、マザーブレインはピクリと反応した。目を向けると、既にチャージ完了済みのサムスがジャンプしてこちらに向かっていた。

「貴様の狙いは私の筈だ。他の仲間には手を出すな!」
「なっ! 今のは時間稼ぎ……!」
「それとも、こっちのミサイルの方がお気に入りか?」
「!」

 後ろではスネークがミサイルを構えていた。
 そして二人は同時に攻撃を発射させ、マザーブレインの脳へ命中させたのだ。

「ぐああああぁぁぁ!!」
「やったー!」

 手から抜け出れたカービィははしゃいでいた。

「やったか!?」

 マリオ達は奴の様子をジッと見ていた。サムスやスネークらも、その場から見据える。

「……中々、やります……ね……」

 マザーブレインは弱々しい口調になっていたが、まだ倒れていなかった。いや、それどころか、口元が僅かに笑みを作っていたのだ。
 それに気付いたマリオ達は再び身構えた。

「しかし、アナタ達こそ気付かなかった様ですね。私が時間稼ぎをしていたことに」
「何っ?」
「! まさか……!」

 マリオはハッと気付いた。そんな彼を見た他のメンバーも、次々と何かに気付いた。

「残念ながら、既に完成していますっ。先ずは実験として、アナタ達の生命を骨まで吸い尽くしてやりましょう。出て来なさい、我が切り札『メトロイド』!!」

 大広間の奥から現れた、緑に輝く生命体。それは間違い無く、嘗てマリオ達に守られて来たベビーメトロイド。
 しかし今のベビーは、マザーブレインの脳と同じ程に巨大だった。

「ベ、ベビー!?」

 サムスが酷く驚きその名を叫ぶも、ベビーメトロイドは反応せず、マリオ達をジッと見ていた。

「さあ、宇宙征服の時がいよいよ始まります……行きなさい、私のメトロイド!!」










 ──to be continued──