戦いの最中(さなか)








「! な、何だ、ここは」

 父の後を夢中で追い、暫くして漸くフォックスはハッとして立ち止まった。自分のいる場所が如何にも怪しいと思わせるのか今頃気付いたのである。
 機械だらけの暗い通路。通路なのに以外と広く、所々に様々な色を持つ光のランプがチカチカと点滅し、少し奥には巨大なカプセルが十数本程並べられていた。

「?」

 フォックスは何だろうと思い、駆け足で向かった。
 機械音が響く中、カプセルは緑の液体で満たされている。時折ゴボッと泡立つので、最初は良く中身を確認出来なかったが、泡がおさまってから、漸く見る事が出来た。

「! これは……!」

 フォックスは驚きのあまり見開いた。カプセルに閉じ込められているのは、あのアパロイドだったのである。他のカプセルも見ると、様々な種類のアパロイドがカプセルの中で眠っていた。

「正か……正かここは……!」

 声を上げようてした時、奥の開きっぱなしの扉を誰かが横切る気配がした。フォックスは反射的に振り向く。今の影は、狐姿だった気がした。

「父さん!」

 フォックスの心の中にはまだ父の存在が大きく、アパロイドより彼を追いたい気持ちでいっぱいだった。思わず足を動かし、再び彼を追跡した。




 その頃、リンクとカービィは彼を探していた。
 カービィは、ワープスターに乗りながら辺りを探した。その下にはリンクがいて、必死でフォックスを探した。途中で二人をアパロイドが襲うが、雑魚レベルなので直ぐに倒せた。

「フォックスー! どこー?」

 カービィは少し悲しい顔をしながら名前を叫んだ。幾ら叫んでも返事は無く、その度不安も募る。

「フォックス……」

 リンクも、カービィと同じ気持ちで彼を探していた。パペトゥーンの都市はかなりの広さなので、一人が空から探索してもかなりきついだろう。リンクも疲労が溜って来て、どうすれば良いのか悩んだ。

「ん?」

 カービィは、ふと何かを見掛けた。

「おーいリンクー」

 小さな星をチラチラと散らしながら、カービィはリンクの前まで降りてきた。

「何、カービィ?」
「ううん、さっき、変わった建物を見掛けたから、何と無くリンクに知らせたくて」
「変わった建物?」

 カービィは難しい表情で報告し、リンクは眉間に皺を寄せて目を細める。
 その時カービィは、アッと声を出し、手をパタパタと振った。

「もしかしたらフォックスはその建物内に入ったかも知れないよ!」
「え。どうして分かるんだ?」
「うーん、何と無くだけど……そんな気がするんだよぉ」

 カービィは自信を失ったのか、少ししょんぼりしてしまっていた。それを見たリンクはフフッと微笑んだ。

「そっか……だけど、何より外を探すばかりじゃきっと見付からないよな」
「リンク……!」
「そこはどこだ? 案内してくれ」
「うん! こっちだよっ」

 カービィは指を差しながらワープスターを低空飛行させ、リンクもついていった。




 アパロイドは円盤の中心にあるハッチらしき穴から赤いミサイルを何十発も発射させた。
 マリオ達は一気にジャンプするが、ミサイルはホーミング式なので、それぞれマリオ達を追尾していく。

「ったく、しつこいな!」

 マリオがミサイルに蹴りを入れると、ミサイルは粉々に砕け散った。あちこちの方角からミサイルが飛んでくるが、マリオはパンチやキックで次々と倒しながら本体へ向かった。

「そぉら!」

 マリオは飛行のスピードを利用してパンチを繰り出した。ドカッと円盤の表面にぶち当たる。

「ゴオォッ」

 アパロイドが短い悲鳴を上げる。

「すげぇー!」

 スリッピーは大喜びで声を上げた。だがしかし、

「うおぉっ、いってえ!」

 マリオの手が見事でかく腫れ上がってしまい、一部の仲間がずっこけた。マリオは涙を滲ませながら手をぶらぶらと振る。

「見事な鋼鉄製だな」

 メタナイトは感心しながら言った。

「感心してる場合かっ」

 ファルコはブラスターを片手に、隣のメタナイトに溜め息をついた。

「ファルコ殿、私達を預からせて欲しい」

 そこへマーシスがサッと現れた。

「おう、任せろ」

 するとファルコは高々とジャンプし、マーシスとメタナイトもジャンプした。二人はファルコの各々の肩に足を掛け、更にジャンプしていった。
 途中からミサイルが飛んでくるが、斬ったりミサイルに足を掛けて進んでいったりした。

「ぬんっ!」

 二人は息を合わせて剣を振り上げ、一本の足に向かって各々左右からバツ印を描いた。その足は横に真っ二つにされ、アパロイドはバランスを崩して倒れそうになる。

「グオオォッ……」
「オイラも負けないよー」

 スリッピーのランドマスターから弾が何発も撃ち放たれる。まだ立っている足に何度も当てていると、その足も崩れ去る。
 バランスを崩したアパロイドは倒れ込んだ。

「オイラもやる時はやるんだからね!」

 得意気にガッツをした。

「皆やるなぁ。ん?」

 マリオはアパロイドを良く見た。奴は動かないのだが、何かがおかしいと感じた。
 そのアパロイドから、何やら小さな電流が溢れている。

「! 皆、気を付けて!」

 クリスタルはとっさに叫んだ。
 その直後、アパロイドが電気のドームに包まれ、四方八方に電撃を放った。

「うわっ! いてぇ!」

 マリオは慌てて避けたが、電気が服をかすれると、かなりの痛みが走ってしまった。
 他の電撃が、上空で他のアパロイドを撃墜しているコーネリア戦艦に命中する。戦艦はあちこち爆発させながら墜落した。地面に当たると凄まじい爆発を起こした。

「何だ? 核兵器でも放たれたか?」
「ピッカ!?」

 妨害装置を破壊したばかりのスネークは爆発した方向を向いた。ピカチュウもかなりビックリして耳を大きく動かし、爆発を見る。

「乱射かよ! 畜生が、完全に狂ったな!」

 ファルコはジャンプして電撃を避ける。

「くそ!」

 マリオへ多数の電撃が襲い掛かる。マリオはマントを掴むと思い切り煽った。

「電撃のお返しだ!」
「!?」

 多数の電気が合わさり、巨大な電気玉を作り出した。マリオはバサッとマントを振り上げると、電気玉はアパロイドに向かって一直線に向かう。
 そして直撃し、アパロイドは大声を上げた。怯んだのか、電撃が止んだ。

「ギャアアァッ!」
「……今度こそやったか?」

 マリオは地面に足を付け、全員様子を見る。

「! まだよ!」

 クリスタルは言った。
 アパロイドは瀕死ながらもまた電撃乱射を繰り出した。

「な、何てしぶといんだ……!」
「わあああぁ!」

 ランドマスターに当たり、スリッピーは悲鳴を上げた。

「スリッピー、大丈夫か!」
「う、うん、何とか……」

 弱々しい声だが、大丈夫な様だ。

「あのアパロイドは以前とは違うわ。弱点がどこにも見当たらない……っ」

 クリスタルは首を横に振る。

「んなバカな!」

 ファルコは見開いた。

「くそっ、じゃあどう倒せば良いんだっ」

 マリオは悔し顔で拳を握り締めた。




「この建物?」
「うんっ、確かにここだよっ」
「……何だかパペトゥーンの都市に似合わない基地だな」
「良いから良いから! 早く行こうっ」

 カービィは興味津々なキラキラした顔でリンクの服をぐいぐい引っ張る。リンクは何故か胸騒ぎがしたが、それなりの覚悟を決めると、即基地内へ走っていった。




 一方、フォックスは相変わらず父の後を追っていた。スマメンの中でもトップクラスの足の速さを誇るフォックスだが、流石に長距離を走ると息も上がってきている。
 そして、彼等が最終的にたどり着いた場所。それは巨大な研究室だった。
 壁は全て緑色に染まっている。その原因は、先程見たよりも何倍ものの数で並べられている巨大カプセルだろう。エメラルドに輝く液体が泡を発しており、中にはアパロイドらしき生命体が閉じ込められていた。
 フォックスはそれらの光景に唖然としていた。気付けば辛い息も忘れている。そして、独りでにゆっくりと歩を進めていった。
 何故なら、目線の向こうに父の後ろ姿があるからだ。フォックスは、初めはこの研究室に驚いたものの、直ぐに彼へと切り替えられていた。
 あと数歩の所でフォックスは立ち止まった。ジェームズは、背中を見せたまま、ジッと黙っている。

「……父さん?」

 静かに且つ僅かな恐怖を含めた口で彼を呼んだ。

「どうしてこんなとこへ来た? それに父さん、生きて……」
「……フォックスを……」

 突如ジェームズは口を開いた。

「ここへ連れて来たかった」
「父さん?」

 ジェームズは体をこちらに向けた。そして少し両手を広げる。その仕草を理解出来ず、フォックスは戸惑った。

「フォックス、ここまで来ればもう大丈夫だ。私と一緒に来てくれ」
「! 父さんっ?」
「これ以上戦わなくて良いんだ。辛かったろう?」

 ジェームズは怪しげに微笑んだまま、足を出した。フォックスも足を後ろへ動かした。一歩歩めば相手は一歩下がる。いつ捕まるか時間の問題になっていた。

「もう痛い思いをしなくて良いんだぞ。リーダーやるのも疲れたろう」
「な、何言ってるんだっ」
「さあフォックス、我々と一つになろう。こんなチャンス、滅多にないぞ」
「父さん……!」

 背中を壁に軽くぶつけた。そこへジェームズが近付いてくる。

「おいで、我が息子よ。共にライラット系を支配しよう!」
「……」
「!」

 ジェームズはそこでピタリと止まった。何故なら、ジェームズの額にブラスターの銃口が向けられていた。
 フォックスは怒りを込めた表情でジェームズを睨んでいた。

「お前、ジェームズ・マクラウドじゃないな」
「……」
「俺の父さんはこんなことは言わない。お前は一体誰なんだ!」

 ジェームズは黙ったまま顔を下に向けた。

「……フォックス、私が信じられないのか……」
「そんな言葉に騙されない。正体を見せろ!」

 フォックスはブラスターを構え直した。
 ジェームズは顔を上げると、口端を吊り上げた。

「やれやれ、君の父に変装する為に態々片耳まで切ったってのに」
「なっ……」

 声もみるみる変わって行く。それは、フォックスの声に似てきたのだ。
 その男は目を閉じたままサングラスを外した。スッと開くと、最初は緑色を持つ瞳だったが、段々赤色に変色していく。フォックスは、あまりにも瓜二つな彼を見てドキッとした。

「初めまして、フォックス・マクラウド」

 男は高々と跳び上がり、真ん中にあるカプセルの上に乗った。

「俺はガフィ。ギガ精鋭部隊隊員の一人だ」
「ギガだって!?」
「今更気付いても手遅れだろう。外の奴らは既に、俺達の可愛いペット達の餌食になってるだろうな」
「!!」

 フォックスは酷く驚いた。この研究室や途中で見たアパロイドの数からして、無限に奴らは増殖されていると見た。
 それより、フォックスは仲間が心配でならない。研究室を出ようとしたが、扉は完全にロックされていて開かないことに気付いた。フォックスは扉に触れると酷く悔やんだ。

「くそっ!」
「そう焦るな。俺達の博士を紹介してやるからさ」
「……博士だって……?」

 耳を動かすフォックスはゆっくりと振り向いた。博士と言う言葉に何かが引っ掛かるのである。そしてとても嫌な予感がし、冷や汗が出た。
 カプセルとカプセルの間から影が現れる。人型で、白衣を着ている。カプセルに溢れる緑の液体の光を受けて影が薄くなってゆく。

「! お前は……アンドルフ!!」

 そいつはアンドルフと言う名の、白い髪を持つ猿だ。彼はかつて、ライラット系を支配しようと企んだ男であり、それを阻止したスターフォックスの宿敵でもある。アンドルフと言われた男はニヤリと歯を見せた。

「また会えて光栄だ、スターフォックスリーダー、フォックス・マクラウド」
「生きていたのか!」
「ドクターアンドルフは、俺達の手で復活させたのさ」

 ガフィは腕を組んだ。

「何だって!」
「それをいち早く察知したのか、私の復活の情報は、嘗て雇っていた愚かな狼共が探っていた」
「それって……?」

 フォックスは少し考えたが、暫くしてハッと気付いた。

「ウルフ達のことか!?」

 アンドルフは目を閉じ、体を横に向けた。

「愚かな男共だ。何も知らずにいれば、手下共の命も救われたものを……」

 フォックスは思い出した。スターウルフが戦いを中断させ、コロニーへ戻っていった、あの時を。ウルフ達は、狙った獲物は決して逃がさない奴らだ。あれだけウルフ達を動かしたのは、コロニーでとんでもない出来事が発生したからだろう。
 正かその事態を生んだのは……。

「ギガ軍がコロニーを襲撃していたからか!」
「……やっと気付いてくれて嬉しいよ」

 ガフィは笑みを浮かべながらフォックスを見下ろしていた。
 アンドルフは、フォックスの表情を見ながら口を開く。

「その燃える瞳……やはりフォックスはジェームズと似てるな。スマッシュブラザーズの副隊長に選ばれるのも納得だ……だが、それも終わりだ」

 そして、既に触れている赤く丸いスイッチを押した。機械音が響き渡り、フォックスは嫌な予感を覚える。床も振動し、それは強くなっていった。
 ピシッ。
 カプセルにヒビが入るのが目に入った。フォックスはブラスターを両手で握り締める。予感はほぼ的中していた。

「さあ、お楽しみはこれからだ」

 アンドルフは両手を広げた。

「運が良かったら、また会えるかもな」

 ガフィはニッと笑った後、アンドルフと共にフッと姿を消した。

「ま、待て! ガフィ! アンドルフ!」

 それと同時、一体分のカプセルがガシャアンと割れた。液体が全て外へ一気に流出される。中から早速アパロイドが襲いかかってきた。

「うわっ」

 フォックスは避けようと横に動いたが、肩を受けてしまう。その痛みに、うっかり避けながら倒れてしまった。

「っく……!」

 フォックスは肩を抑えながら立ち上がった。




「な、何だっ!?」

 リンクは横にあるカプセルにヒビが入ってるのを見る。カービィも目を丸くした。

「な、何っ? 瓶が壊れる!?」
「……カービィ、逃げるよ」
「えっ?」

 リンクはダッシュした。

「あ! ま、待ってよリンクー!」

 カービィが慌てて追い掛けた直後、彼等の近くにあったカプセルが壊れ、アパロイドが這い出てくる。

「うわわっ、虫達が出てきたよぉっ」

 カービィは後ろを見ながら飛んでいる。

「とにかく今はフォックスの安否が心配だ」

 リンクは前を見て走る。

「虫達と遊ぶのはそれからにしようっ」
「……うんっ……」




 マリオ達は巨大アパロイドに苦戦していた。幾ら攻撃しても中々倒れないのである。

「チッ。いい加減成仏して欲しいものだな」

 ファルコはブラスターを片手に言った。

「駄目だぁ、精神的にまいって来たよお……」

 スリッピーは電撃を受けた後が故か、かなり疲労を溜めていた。

「スリッピー……」
(頼む、誰かあいつを……あいつを倒す方法を教えてくれ……!)

 マリオは拳を握りながら誰かに哀願した。
 そして、アパロイドがまた電撃を放つ準備をした時だ。
 空の一部がキラッと光った途端、頭上から赤く光るレーザーの嵐が降ってきた。だがそのレーザーは巨大アパロイドに集中している。集中攻撃には、流石の巨大アパロイドもかなりのダメージを受けていた。

「ギィアアァ!」
「な! だ、誰だっ?」

 マリオは腕で顔を覆いながらその光景を見守る。

「やれやれ。宇宙空間で自由気ままに動き回れる男には地上戦は向いていないのか?」

 インカムからこの間聞いたばかりの声が聞こえる。ハッとしたマリオは直ぐに見上げた。
 クリスタルやコーネリア軍以外に空を飛行している戦闘機が三機。赤と白に染まる殺気だたせるウルフェン。

「スターウルフ!」
「またつまらん敵と戦う羽目になるとはね」

 レオンは溜め息をついていた。

「クリスタル、怪我は無かったかい?」

 パンサーはクリスタルに微笑む。相変わらずクリスタルはプイッと顔を逸らした。

「この辺のアパロイドの掃除は俺達に任せろ」

 彼等の直ぐ上でウルフは言った。

「俺達は手下共の仇を討ちに来た。邪魔をするのは許さねえ。てめぇらは本拠地探しに専念しなっ」
「……あぁ、分かった。ありがとう、ウルフ」
『皆、聞こえるかっ?』
「ペッピー!」

 続いてペッピーの声が聞こえてきた。

『たった今レーダーが回復した。これで本拠地が分かるぞ』

 彼等のもとに、笑顔なピカチュウと、銃をしまうスネークが歩いてきた。マリオ達は彼等が無事だったことに一安心する。

『増殖元の位置が分かったぞ。直ぐに向かうんだっ』
「オッケー、ペッピー! 早く行って、パペトゥーンを救うぞ!」
「そうだなっ」
「後は頼んだぞ、ウルフ達」

 マリオ達は急いでそこへ向かった。




 フォックスは、アパロイドの攻撃を避けながらブラスターで射撃する。出来立てのアパロイドは脆く、ブラスター一発で崩れゆく。

「くそ! きりがないっ……!」

 一体どれくらい倒してきたかは覚えていないが、かなりのアパロイドを倒したと言う記憶はある。だがそれでも、アパロイドは新たなカプセルを割っては現れる。それの繰り返しだった。
 このままだとフォックスの体力が消耗し、戦力を失っては即アパロイド達の餌と化してしまうのは時間の問題だった。

「ファイナルカッター!」

 その時、扉が真っ二つになるのを見た。何やら白銀に光る巨大カッターが見える。
 扉が崩れるとその者達が入ってきた。リンクとカービィである。

「……ビンゴだ!」
「わーい! フォックスー!」
「リンクにカービィ!」

 二人は笑顔でフォックスに駆け寄った。

「二人とも、無事だったんだな。アパロイドにやられたのではないかと、ハラハラしたよ」
「それはこっちの台詞だよっ」

 カービィは頬を膨らませてプンプン怒った。

「だよね、リンク」

 そしてリンクに笑い、リンクも笑顔で頷いた。

「ああ。全くだ」
「……すまないけど二人とも、それを言うのは後にしてくれるか?」

 フォックスは愛想笑いをしながら横を向く。リンクとカービィも同じ方を見た。
 無限に現れるアパロイドが、彼等を睨みながら身構えていた。

「そういうことか」

 リンクは剣と盾を構えた。

「虫あんま好きじゃないけど、やっぱり戦わなきゃ駄目だよね……」

 少し怖がるカービィだが、確りとファイナルカッターは握った。
 だがその後、天井がいきなり爆発した。フォックス達は勿論、アパロイドもビックリしたに違いない。天井から影が何人か現れる。また奴らかと悟り、フォックス達は武器を手放さない。

「いててっ! ったくマリオ、無茶苦茶するなぁ。普通に入れよ」
「ここがそうだったら、取り合えず早く入りたかったんだよっ」

 そこからファルコとマリオが抗議しているのが嫌でも耳に入る。

「マリオ! 皆!」
「フォックス! ここにいたのかっ」

 マリオ達はフォックス達を見、そこから飛び下りた。
 マリオはボタンが並べられている機械の上に乗る。その際何かを押した気がしたが、気にしなかった。

「フォックス! 無事だったんだね!」

 スリッピーの声がランドマスターから聞こえる。今にも泣きそうな声に、フォックスは微笑んだ。

「ああ。心配掛けさせたな」
「うわぁ、それにしてもうじゃうじゃいるなぁ」

 マリオは周りアパロイド達を眺める。

「だが、幸い雑魚だらけだな」

 スネークは余裕で煙草に火を付ける。

「そうだな、一分で片付けてみせよう」

 マーシスは剣を引き抜いた。

「皆、油断するなっ」

 フォックスは皆に呼び掛けた。奴らは無限増殖する可能性があるが故である。

「分かってるよ。じゃ、行くぜっ!」

 マリオは拳を鳴らした後、機械からジャンプした。他の者も攻撃態勢に入り、アパロイドへ立ち向かう。各々の技で雑魚達をけちらしていった。
 フォックスはこの時疑問に思った。さっきまでアパロイドは倒しても倒しても現れたのに、今はそれが無い。倒せば倒す程敵の数が減っていくのだ。
 マリオ達が現れた時、恐らく何かボタンを押した様に見えたから、きっとそれのせいなのだろう。
 だが、今はもう気にしない。今は敵を倒していく実感を持てて、何気無く安堵した。
 そして、

「よっしゃ! アパロイドを全部倒したぞっ」

 マリオは笑顔で拳を掲げた。

「……だが妙だ」

 ギャラクシアをしまったメタナイトが口を開いた。

「肝心の親玉がおらぬ」
「! あ、あれ? 言われてみれば……」
「……」

 フォックスはそれを聞いて、アンドルフ達のことを思い出した。

『ウルフだ』

 マリオ達へウルフからの声が通信で届く。

『たった今、巨大アパロイドを撃破した』
「えっ! 何で倒せたの!?」

 マリオが驚いて尋ねると、インカムから鼻で笑う声が聞こえた。

『俺様達のパワーの相手になるのは間違いってこった。とにかく、コーネリア軍もパペトゥーンにいるアパロイドを一掃した様だ。念のため報告しておく』
「ああ。ありがとう、ウルフ」
「ウルフ……」

 フォックスは悲し気に呟いた。

『何で貴様は泣き声になってるんだ』
「……いや、気にしないでくれ」
『……フン。まあ良い』
『フォックス! 皆、聞こえるか!』
「ペッピーっ」

 ペッピーの声が聞こえたが、何やら慌てている様子が伺われる。

『至急、グレートフォックスに戻る様に。戻ってきたら話がある』
「? うん、分かった。了解だよ」

 そこで通信が終わった。
 こうしてパペトゥーンは救われた。
 しかし、フォックス達の世界でのマリオ達の戦いはまだ終わっていない上、ここからが本番だった。










 ──to be continued──