悪の夢








 月明かりの無い夜。暗い森の中で唯一の光となるのは、頼りの無い焚き火のみ。
 マリオ達は、生い茂った暗い森の中にいたのだ。子リンのいたタルミナのあの森と比べ、視力に優れた者でも、遠くまで見渡すことは難しい。
 フォックス達が持ってきた食料や、森で採れた木の実を食べて腹を満たした後、見張りのスネークを除き、全員が眠りについた。一睡もしなかった日が続いたからか、とても気持ちよく寝むっている。




 やがて、マリオがゆっくりと目を覚ました。

「……早く起きちゃったかな」

 まだ多少重い体を手で支えつつ起こし、大きなあくびをしながら体を伸ばした。

「スネーク、良かったら見張り代わろうか?」

 いつまでも彼に見張りをさせては可哀想だ。優秀な戦士であっても、休むことも大事。そう思い、マリオは彼に振り向いた。
 ところがである。なぜかスネークの姿が見当たらないのだ──いや、彼だけでなく、スマブラ戦士全員が姿を消していたのである。マリオは見開き、眠り掛けの意識がそこでハッキリした。

「スネークっ? 皆!?」

 焚き火から離れ、辺りを見回したり、声を上げ名前を呼んだりした。だが、どこからも、一人も返事は来なかった。

「な、んでだ? 一体……!」

 それだけでは無い。真っ暗闇だった森が、夜空の時間帯なのにも関わらず、まるで昼並に明るい。しかも葉は緑では無く紫に変色している様に見えた。夜空も同様、おかしなグラデーションに染まっている。
 余りに変わりすぎた光景にマリオが茫然自失状態の中、

「兄さん……」

 背後から、馴染み深い声が聞こえた。まさかと思い振り返ると、木の影から現れた、マリオに似た風貌の男。

「ルイージ!!」

 マリオの弟、ルイージがそこにいたのだ。
 久し振りの彼との再会に嬉しくなり、マリオは笑顔で彼に近付く。
 だが、ルイージは浮かない顔をしていた。それどころか、まるでマリオを蔑む様に目を細めているではないか。しかしマリオはそれに気付かず、ルイージの目の前まで来た。

「ルイージ、どうしてこ……」
「兄さんなんか……」
「え?」
「兄さんなんか……いなければ良かった……」

 突然の言葉に、マリオは酷く動揺した。それを余所に、ルイージは驚愕した様な表情をしながら頭を抱えた。

「いなければ良かった、いなければ良かった、いなければ良かった、いなければ良かった、いなければ良かった、いなけれ……」
「ルイージ! どうしたんだよ!? 目を覚ませ!」

 マリオはルイージの両肩を掴み激しく揺すった。

「お腹空いたなぁ」

 やがて横からも声が聞こえた。マリオは動きを止め、顔だけをそちらに向ける。別の茂みから、ゆっくりと近付いてくるスーパードラゴン──ヨッシーだ。

「ヨ、ヨッシー?」
「マリオさん、何かくださいよ。何もなければ、マリオさんが代わりに食べられてください。僕もうお腹がペコペコですぅ」
「な、何言ってんだよ!」

 冗談は止せ。そう言う前にルイージが遮った。

「何で兄さんばっかり。狡いよ、酷いよ」
「ルイージ……っ」

 やめてくれ。これ以上は、やめてくれ……!
 訳が解らなくなる。彼らは明らかに彼らじゃない。
 だが今じゃ混乱するばかりで、マリオは首を振りながら後退り、そして駆け足で逃げた。

「兄さんっ……!」
「あ、待って、行く前に食べさせてくださいー」

 彼らも、マリオの後を追った。




「何か、目の前がおかしいな……」

 リンクも、マリオと同じ光景を目にしていた。彼も目を覚ましたら誰もいなかった為、彼らを探しに来ていた。
 眠っている間に何かがあったのだろうか。今はそれしか考えられない。しかし、一体なぜ……。

「リンクー!」

 少し遠くから聞こえる、少女の呼び声。リンクは迷わずそちらを見た。
 どこかで見た少女がこちらへ走ってきた。リンクは、彼女とは昔から仲良くしてる子だと思い、懐かしさを抱く。

「ずっと帰って来なかったから、心配したのよ?」
「……」
「でも良かった、リンクが無事に戻ってきてくれて!」

 小粒の涙を落としながら、彼女は明るく優しく笑った。リンクはそんな彼女を見て吊られる様に微笑み、言葉を伝えようとして、そこでリンクは言葉を詰まらせた。

(──『誰だ、この子?』)

 昔から共にいる少女だと思っているのだが、名前がなぜか思い出せない。否、それ以前にこんな記憶がある事に疑問を抱く。『自分はこの子と出会ったことがあっただろうか?』と。

「いっつ……!」

 その時、リンクに謎の頭痛が襲った。その激痛は、頭が割れそうな勢いである。思い出そうとする程、頭が酷く痛んでしまう。抑えようと頭を必死で抱えるも、今度は力が出ず、その場で膝をついてしまう。
 緑の少女は近寄り、リンクの腕をそっと握る。

「リンク、一緒に村へ帰りましょう? 皆が待ってるわよ?」

 彼女が話す度、リンクを握る手に力が入ってく。

「さあ立って。ほら早く。行こう。会いたくないの? 何か言ってよ。ねえ、リンク……ねえ!!」

 苛立った様な大声が、リンクの頭痛を蓄積していく。

「やめろ!!」

 吹っ切る勢いで、思わずリンクは彼女を力一杯押した。彼女は驚きの表情を乗せながら尻餅をつき、彼に怖がりながら一目散に逃げて行った。

「はぁ……はぁ……」
 ──俺は一体、どうしてしまったんだっ……!
「くっ……頭がっ……!」

 その激痛に遂に耐えられなくなり、その場で倒れ込んでしまった。




「サムス」

 突如いなくなった仲間達を探す為、銃を片手に森の中を探索していたサムスは、背後からの呼び声に向けて素早く振り返り、銃を構えた。
 目の前に現れた人影。その影が薄れると共に姿を現した人物。
 サムスは銃を構えながら、静かに見開いた。

「アダム……?」

 軍服を来た男──アダムと呼ばれた男は、サムスの上司であり、サムスのよき理解者でもある。
 サムスは彼が現れたことに思わず見開き、警戒心も薄れ、銃をゆっくりと下ろしていった。

「サムス、君はよく頑張った」

 両手を後ろに回し、彼女の目を真っ直ぐに見据えた状態で、アダムは言葉を放った。

「もうここにいる必要はない」
「! アダム?」
「こちらの世界に戻って来るのだ。これ以上戦わず、後は我々に任せれば良い」
「アダム、何を言っているんだ?」

 サムスは彼の言葉に眉根を寄せてしまう。彼がこんなことを言うとは思えないからだ。
 そんな彼女を見ながら、アダムはゆっくりとした歩調で、こちらへ歩み寄る。そして歩きながら口を開いた。

「君の任務は終わったのだ。故にここにいる理由は無い。ここは危険地帯だ。今すぐこちらへ戻るのだ」
「……生憎だが、私にはまだやるべきことが沢山ある。それを全て終わらすまで、私は帰る訳にはいかないんだ」

 僅かに険しい表情でサムスは言い放った。だが、相手は動じることなく、彼女を見つめる。
 ただ違うのは──右手に構えた銃。

「!?」
「サムス、君には残念だ。私の言うことが聞けないとはな」

 流石のサムスもかなりの動揺を見せた。心から信頼している男がいきなり銃を向けて来るだなんて、信じられなかった。彼なら、解ってくれると思っていたのに。ましてや銃を向けてくるなんて思ってもみない。

「どうしても帰らないのであれば、ここで君を排除する」
「何!?」

 冗談のつもりか。そう言おうとした瞬間、彼は銃を撃って来たのだ。

「くっ!」

 鋭い反射神経のお陰で、予告なしの銃撃でも素早くかわすことが出来た。今すぐこちらも体勢を立て直した後、銃を構えた。
 そこまでやったものの、やはり相手を撃つのに躊躇いが掛かった。撃ちたくても中々引き金を引けず、ただその場に佇むのみ。

「どうした、サムス。撃たないのか?」

 そう言ったアダムは遠慮なく撃ってきた。光弾が、彼女の肩を貫いた。

「ああぁっ!!」

 熱が集まる様な勢いの激痛。サムスは傷口を抑えようと肩を掴み、その場に跪く。
 アダムは彼女を見据えながらこちらへと歩んで来る。

「言った筈だ。帰らなければ、この場で排除すると」
「っ……ア、ダムっ……」

 彼の銃口が、無防備状態のサムスの額に触れる。




 マリオ達のいる森に地響きが起こる。それはまるで、巨大怪物がゆっくりと歩いている様なリズムだ。

「一体、何が起こってると言うんだ……」

 マリオ達に同じく、スネークも彼らを探していた。
 その途中、地響きに立ち止まり、警戒心を更に高めた。茂みに身を顰め、辺りを目で見回す。
 地響きは次第に大きくなり、辺りの木々は、その響きに驚くかの様に、大袈裟に揺れ始めた。
 そして、スネークの目の前に現れたのは……。

「!?」
(な! ど、どう言う訳だっ? なぜこの森に……!)

 ロボットの様な、機械動物の様なものが、スネークの前を通り過ぎようとしている。このロボットは、スネークには見覚えがあるのである。

(まさか、俺は元の世界に戻って来た訳か?)

 それにしては妙な違和感があった。寧ろ不可思議な感覚だった。
 周りが、変にぼやけているのである。
 目の前は、スネークが元の世界で見たあのロボットだと認識している(と思う)のに、この感覚は、そう、『夢』を見ているのと同じ感じ……。

「これはもしかすると……」

 スネークは茂みの中から立ち上がると、妙な形をしたロボットへ向かい前進した。ロボットは彼に気付き、こちらを見る。ゆっくりと体も向け、その場に立つスネークを見つめる。
 攻撃してくる気配は無い。スネークも攻撃しようとはしなかった。ただ、ロボットがどの様な行動をするのか、その場から観察していた。

(攻撃して来る気配が無い……)

 未だに意識が僅かにぼんやりするスネークだが、状況は認識出来ていた。
 そして、透かさず自分の額に拳をぶち当てた。意識をはっきりさせる為である。そして拳を戻し、もう一度前を見ると、そこには……。




「ん……」

 小鳥のさえずりが聴覚に流れ込むのに気付き、更に朝日の眩しい日差しに瞼をうたれ、マリオは、気付けば閉じていた瞼をそっと開いた。
 昨夜マリオの見ていたおかしな現象は無くなり、いつもの森が目に映った。

(あれ? 僕は確か……)
「隊長ー!」
「ピッカァ!」
「カービィ! ピカチュウ!」

 声と共にカービィとピカチュウが抱き付いて来た。マリオはカービィ達を抱き止め、微笑んだ。

「! 皆、無事だったんだねっ!」

 見回すと、リンク達全員がこの場所へと戻って来ていた。

「ああ。変な幻覚を見たけど、皆何とか無事の様だ」
「──いや、ただ、サムスが肩を怪我しちまったがな」

 フォックスに続き、ファルコがそう言うと、マリオは驚いた。

「サムスがっ?」
「心配するな。火傷をしただけだ。大したことじゃ無い」

 肩を包帯で巻かれた後なのかは解らないが、肩に軽く触れながらサムスは言った。それに安心したマリオだが、安心しきってはいない。

「ところで皆、やっぱり皆も、幻覚に?」
「ああ。どうやらこれが原因らしい」

 スネークが手に持って見せたのは、毒々しい紫色のキノコである。

「『お元気になるキノコ』と言うらしい。味は悪くないが、こいつには幻覚作用がある。それも、食べた者にとって、最悪な悪夢を見せられてしまう」
「……」

 リンクは考え込んでいた。悪夢に出て来た、あの少女のことである。見覚えは無いのだが、どこか懐かしさをも感じていたのだ。だが、それを考えればまたもや謎の頭痛が起こる。
 もうこれ以上は考えない様にした。

「なるほど」

 マリオは、スネークから受け取ったキノコを眺めながら呟いた。

「確かに最悪な夢だったよ」
「そして見た幻の正体は、皆この森にいる生き物だってことだ」
「私はリンクに突き飛ばされたけどねっ」

 ナビィはリンクからそっぽを向いた。リンクは彼女から幻を見たらしい。リンクは頭に手を置き、微笑をこぼしながら反省していた。

「私が火傷を負ったのは、どうやらその生物に寄る火属性の攻撃と言うことだ」

 サムスは呟く様に言った。

「食料調達も、なるたけ気をつけなきゃならねえって訳かな」

 ファルコは頭を掻いた。

「それにしても、やけに詳しいな、スネーク」

 C・ファルコンはスネークを見て、腕を組みながらそう言った。スネークは彼に答える。

「彼らに教わったからな」
「彼ら?」

 そこで、スネークの近くに生えている木から、二人の少年が現れた。マリオ達は彼らをジッと見る。

「あ! 君はっ……!」

 最初に彼らのことに気付いたのはネスだった。その後、マリオ達も次々と気付いた。皆、彼を知っているのである。
 何せ、二人の内の彼も、『スマッシュ戦士』の一人なのだ。

「俺が幻覚から目を覚まさなければ、今頃、彼らには会わなかったかもな」

 スネークは肩を竦めた。
 そう、あの時、彼が自ら幻覚から抜け出した後のこと……。




「グウウゥ……」

 先程のロボットはいなくなり、代わりに現れたのは、緑色の恐竜である。と言うより、この恐竜が、幻覚の所為でロボットに見えたのである。

「ギャウゥ!」

 更に、その恐竜の子供であろう、似た様な姿をした小さな恐竜がスネークの周りを飛び回り、そして大きい方の恐竜の背中に乗っている、二人の少年が顔を出した。一人はマヨネーズの様な髪型をした、オレンジ髪をした少年。黄色と水色の縞々Tシャツに、オレンジの短パンを履いていた。もう一人も同じ髪型をしており、金髪だ。そして黄色と赤の縞々Tシャツに青い短パンを履いた少年だ。
 オレンジ髪の少年は好奇心ありありとした目で、金髪の少年は少し怯えた目で彼を見ていた。

「おじさん、誰? 凄い服を着てるね!」
「ぐ、軍人……?」
「……その話は後にして、こちらから伺わせて貰おう。あんた達は、この森に住む者か?」
「この森って訳じゃないけど、この島に住んでるよ」
「なら、丁度良い。俺は旅をしている者だ。だが、途中で仲間とはぐれてしまった。迷惑じゃなければ、一緒に探して欲しい」
「仲間とはぐれたの? それは大変だ! 一緒に探してあげるよっ」
「え? い、良いの、『クラウス』?」

 それを聞いたスネークは、金髪の少年を見た。鋭い視線に見えたのか、少年は彼と目線が合うや否や、肩を上げると恐竜の背中に身を潜めた。
 クラウスと呼ばれたオレンジの少年は隣の少年を見て口を開く。

「だって仲間とはぐれたんなら、探してやらなきゃ。だろ、『リュカ』? 困った人を見掛けたら助けてあげなさいって、お母さんも言ってたろ?」
「そ、そうだけど……」

 彼らのやりとりを聞いていたスネークだが、やがては溜め息をつくと、

「まあいい。迷惑を掛けた。俺だけで探すとしよう」

 そして歩き去ろうとした。

「あ、待って!」

 彼らに呼ばれ、立ち止まったスネークは、ゆっくりと振り返る。引き止めたのは、リュカと呼ばれた少年だ。

「僕達も一緒に探すよっ」
「いいのか? 見たことの無い俺が何をしようとも?」
「でもドラゴが威嚇していないから、おじさんは良い人だって解るよっ」
「ドラゴ……」

 彼らを乗せた、緑の肌を持つ恐竜はドラゴと言う名前らしい。パッと見た感じはティラノサウルスと言う肉食恐竜に見えるが、殺気だけ感じないのは確かだった。
 ともあれ、助っ人と会えたのは好都合だ。

「ありがとうな、そっくりさん」
「あれ? 言ってなかったっけ? 僕達双子なんだよ」
「……そうか。そんな予感はしていた」
「僕はクラウス。こっちが弟のリュカだよ」

 リュカは未だ多少の怯えを見せるが、ドラゴの影からこっそりと顔を出しては頭を下げていた。

「……スネークと呼ばれている」
「宜しく、スネークおじさん! じゃあ、スネークおじさんの仲間を探しに行こうっ」




「彼らはこの森のことなら何でも知っている。庭みたいなものらしいからな」
「そうだよね。ここの住人だものね」
「まさかマリオさん達がここに来れたなんて、ビックリしたけどね」

 リュカはクスッと笑って言った。マリオも彼に微笑み返す。

「ありがとう、助かった」
「そう言えば、リュカしゃん達はどうしてこの森にいるんでしゅか?」
「ピッカ」
「ピィチュ?」

 プリンが聞くと、代わりにクラウスが答えた。

「この森の向こうにある『オソヘ城』を目指してるんだ。そこにある『針』の様子を見に行って、万が一のことがあったら守って欲しいって、ある人に頼まれたんだよ」
「針?」

 マリオは僅かに眉根を寄せた。

「僕達にもそれが何なのかは解らないんだけど、重要なものみたい。僕達にしか頼めないことみたいだから……」
「そうなんだ?……よしっ、僕達もついて行こうっ」

 ネスは握り拳を作りながら立ち上がった。

「え? いいのっ?」

 リュカにとって、ネスは尊敬する戦士。それだからか、彼に対しては、子供らしい憧れの眼差しを向けていた。

「助けて貰ったからねっ。今度はこっちが助ける番だよっ」

 ネスはそう言いながらマリオ達に振り返り、同意を求める。マリオ達は言われるまでも無い、といった感じで笑みを浮かべ、彼らも立ち上がった。

「そうだねっ」
「そうですね!」
「そうだな」
「ピッカ!」
「ネス、みんな……ありがとうっ」
「それはこっちの台詞だよ。助けてくれてありがとう、二人共」

 マリオはウインクした。
 そう言われたリュカとクラウスは嬉しさの余りか、互いのそっくりな顔を見合わせると、子供に見合う微笑みを浮かべたのだった。




 オソヘ城は森を抜けてすぐ目の前にあるらしい。森を抜けるのは意外と早かった。

「へえぇ?」

 マリオは額に手を翳しながら、目の前の建物を見かけた。確かにそれが、森を抜けて直ぐに顔を出したのである。

「立派なお城だなぁ……」
「……」

 その場からフォックスは、ヘルメットに付いている特殊なモノクルで城を調べた。

「このオソヘ城は、今や誰にも使われていない。所謂、廃墟ってとこだな」
「うん、そうなんだよ」

 リュカが言った後、次にクラウスが口を開いた。

「そのお城の中に、『針』って奴が刺さってるんだよね」
「何だか胡散臭いなぁ」
「いや、確かにオソヘ城の内部から、何か強力なパワーが眠っているのは確かだ」

 マリオが疑いのまなこで言うのを横に、マーシスは言った。

「それのエネルギー源が、恐らくリュカ殿達に頼んだ者の言う、『針』って奴なのかも知れぬ」
「重要なものならば、その意味合いも納得出来ますね」

 と、リンクは言った。

「うぅ、何だかワクワクして来たよっ!」
「冒険の匂いがぷんぷんしますでしゅ!」

 冒険好きのカービィらは、実に嬉しそうにはしゃいでいた。そんな彼らを、マリオ達は微笑んで見守る。
 そして、マリオの言葉を合図に、全員が動き出した。

「よし! オヘソ城へ入ろうっ」
「マリオさん、オソヘ城です」
「わ、解ってるよっ」




「……」

 マリオ達が城へ入るのを、城門の影から見張る影達。
 その中の一人が無線機を使い、その相手に報告する。

『そうか。噂のスマッシュブラザーズとやらが。やはり針が狙いなんだなっ?』

 低くて太い声が、無線を通して響く。
 そして変な笑い方をした後に、こう命令を下した。

『ヌヘヘヘ、そいつは好都合。ギガ軍の予言通りだっ。奴らの後をつけるんだ。例の物達を見つけ次第、奴らをけちょんけちょんにしろっ』

 無線機を使っている者はその命令を聞き入れ、まるで豚の様な鳴き声を上げて返事をしたのだった。










 ──to be continued──