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クレムリン軍団の脅威? 広い廊下に固い靴音がリズム良く響き渡る。 スマッシュ王国を治めし王──マスターハンドの大臣であるクレイジーハンドは、使いであるマルスとロイの姿が見当たらない為、心当たりがある場所を目指し歩いていた。 特に用事がある訳でも無いのだが、決まった時間にマルスかロイが珈琲を用意してくれるのが、いつの間にか日課となっている日々。今日はそんな二人が朝から姿を現さない為に、僅かに気になっていた。 個室や中庭等を探しても姿や気配は無く、残るはこの城の図書室だけとなった。この部屋にいなければ、時間を改め出直すか、諦めるかのどちらかにしよう。 そう思いながら扉を開くと、図書室の奥のテーブルに顔を埋めて眠っている二人の人影があった。赤髪と青髪の人物であり、探していた人物を漸く見つけた事に、クレイジーは安堵の息を吐いた。 静かに近付くと、積み重なった数冊もの分厚い本に囲まれ、寝息を立てているのが分かる。クレイジーは再度息を吐くと、一度図書室の外に出、そして戻って来た。二人のそれぞれの背中に、起こさない様に気を付けつつ毛布を掛ける。ロイに被せた時に、彼から声が小さく洩れた様に聞こえたが、相も変わらず深い眠りについていた。この様子だと、まだ起きる気配は無いだろう。 「いつも我々の為に働いてくれて、感謝している」 クレイジーは、眠っている二人に微笑んでそう言った。 二人は図書室で、今日も宝玉等のことを調べていたのだろうと、テーブルにあるものから本を一冊持ち、栞を挟んでいるページを捲って見る。そのページに、クレイジーは少し見開いた。 「既にここまで調べていたのだな」 クレイジーが見たページ、それは、作法棒のことだった。 作法棒の解説に関しては全て特殊な文字で記述されており、その文字を読める者は極僅かしかいない。マスターハンドとクレイジーハンドは読める文字だが、マルス達には読むことは不可能であろう。だが、テーブルには本の他、羽ペンと、沢山の走り書きがしてある紙が何枚かある。恐らく二人は、この文字を解読しようと昼夜ここにこもっていたのだ。そしてその内、眠気に限界が来たのだろう。 クレイジーはその本を片手に持った後、魔法でその本を浮かべ、元の棚に戻した。 「ここまで調べられたとは、大したスマッシュ戦士達だ」 未だに寝息を立てているマルスとロイを見て、クレイジーは微笑を浮かべた。その表情には、少しだけ悲しみの色も滲ませていた。 「空間神の宝玉、そして空間神……いずれその歴史の奥深くにある答えを見付け出した時、スマッシュブラザーズは──否、この空間の者達はどう思うか」 小鳥がさえずり、光が差す窓を見遣る。 「いずれ、その答えを見ることになるかも知れないな。平和を取り戻した、その時に……」 夜の闇色に染まった大海原。 その海を静かに進む、一隻の船。船と言っても形は極普通の船とは違い、塔の様に細長い構成だった。そして天辺は、冠をつけたワニの姿を模っていた。まるで海を歩く巨大なワニが、今にも襲い掛かりそうな錯覚に陥る。 「この最強破壊兵器──ブラストマティックで、今度こそ奴等を島ごと木っ端微塵にしてやるのだ!」 壁に巨大なモニターがあり、船の司令室とも言える部屋。その部屋の中心に設置されている玉座に座る、ワニの王。彼の名はキングクルール。緑の肌を持った巨体な体格をしており、船と同じく黄金の冠を被っている。おまけに、左目が腫れ上がったかの様に真っ赤である。 クルールは開発した破壊兵器を使い、宿敵を島ごと破壊しようと企んでいる様子である。 「クルール様」 司令室の扉が開くと、ワニが敬礼のポーズをしてから入って来た。クルールと同じ緑色をしているが、クルールより一回り小さめで、軍人用のヘルメットを被っている。 「DKアイランドが見えてまいりました」 「そうか。いよいよだな! ではクランプ、ブラストマティックの発射準備に入れ」 「了解(ラジャー)!」 クランプと呼ばれた軍人風のワニは再度敬礼をした後、司令室を後にした。 クルールの船が目指す先は、DKアイランドと言う小さな島だ。その島は緑が生い茂り、沢山の種類の野生動物達が暮らしている、ジャングルな島である。名前の通り、この島にはドンキーコングが暮らしており、他の仲間のコング達も過ごしていた。 そのドンキー達の宿敵が、クレムリン軍団を率いるキングクルールである。 「……ん?」 手下達がブラストマティックの発射準備に入っている中、クランプが双眼鏡で、窓から前方を見遣る。すると、何かを発見した直後、大慌てで周りのワニ達に向け声を上げた。 「ぜ、前方に岩が! お、面舵いっぱーい!」 他のワニ達は、彼の慌てっぷりに乗るかの様に慌てながら船の操縦に移った。だが、ワニ達は全く息が合わず、船はあちらこちらに傾く始末。同時に、司令室にいるクルールも体を大きく傾かせしまっている。 「ななな、何だ! 何があったんだ!?」 そう言うクルールだが、その声さえも耳に届かない程に、クランプは慌てふためいていた。 そしてクルールの船は、何かにぶつかったと同時に大きな振動に一時的に襲われた。少しすると治まったが、船は動いていない様に思えた。 「クランプ! 何があったと言っている!」 あれから応答が無い為に若干苛立っているクルール。 そして前のモニターにクランプが現れた。彼の目線はあちこち泳いでおり、事情を説明するか否か迷っている様に見える。それに寄り更に苛立ちを煽られたクルールは、座っている椅子を力任せに叩いた。 「クランプ!!」 「わっ! も、申し訳ありません、クルール様。船が岩にぶつかってしまいました」 「それ位どうだって良い。この距離からでもブラストマティックは撃てるだろう。さっさと発射するんだ!」 「そ、それが……」 「まだ何かあるのか?」 報告すべき内容だろうが、クランプは口篭っている様子だ。そして少しすると意を決したか、顔を上げるとこう言った。 「さっき岩にぶつかった衝撃で……ブラストマティックが壊れてしまいました!」 「なっ……何いいぃぃっ!?」 今度こそドンキー達を倒せると思っていたのに、何故毎度毎度こうなってしまうのかと、クルールは玉座に座りながら地団太踏んでいた。 「何でいつもこうなるのだ! おのれぇ……!」 「ま、こうなるだろうとは思っていましたけどね」 クルールの横に黒いオーラと共に現れたのは、ディバである。そう言われた故にクルールはディバを鋭く睨んだが、その後は腕を組む。 「だが、ここまで来て引き下がりたくもない」 「そうそう。尻尾を巻いて逃げるだなんて、クルール様らしくありませんよ」 「……ディバのその態度、気に入らんな」 クルールはディバをもう一度睨んだ。 「そこまで言うからには、何か策があるんだろうな」 「ヒヒッ。簡単なことですよ、キングクルール」 ディバはそう言いながらクルールの前まで歩き、そして振り返った。 「時間稼ぎをしつつ、ブラストマティックの修理をするんです」 「……時間稼ぎだと?」 「クルール様の優秀な部下達をDKアイランドに送り込むのです。ドンキーコング達はDKアイランドを襲われ、大忙しになる筈。その間に修理を終わらせ、ドンキー達を島ごと吹き飛ばせば良いんです」 「……なるほど、良い考えだ!」 単純なクルールは、あっさりとディバの考えに乗った。 「丁度、オレ様の可愛い部下やペットが戦いたくてうずうずしていた所だ──クランプ!」 名前を上げると、モニターに映っているクランプはニヤリとした顔をしながら敬礼した。 「今の話は聞いていたであろう」 「最初から最後まで、バッチリ聞いておりました」 「早速、行動を開始しろ!」 「ラジャー!」 クランプを映したモニター画面が消えた。 クルールは肩を震わせ、笑いを込み上げていく。 「くくく……ドンキーコング達よ。先ずは盛大なパーティを開いてやろう。そして、我等クレムリン軍団からの特大プレゼントを楽しみにして置くことだ」 クルールの笑い上げる声が、司令室に響き渡る。クルールを見ながら、ディバは密かに口端を妖しく吊り上げていた。 その間に、今度は別のワニがモニター画面に現れた。彼もまた、先程のクランプの様に慌てている様に見えた。 「クルール様!」 「何だ! まさか、他にも何かが壊れたのかっ?」 「そのまさかでございます。同じく先程の岩にぶつかった衝撃で、マッド・ジャックが使い物にならなく……」 「バカモノ!!」 ワニの言葉を遮る程の怒声を上げるクルール。ワニは思わず肩を上げた。 「そんなものは処分しろ! 失敗作など、どうなったって構わん。優秀な部下を送り込んでやるのだ! 良いな!」 「ラ、ラジャー!」 ワニはあわあわと敬礼をし、そしてモニター画面が消えた。 「ったく、どいつもこいつも……」 再び不機嫌に戻ってしまったクルールを横目で見て、ディバはクスッと苦笑を零した。 (さて、クルールの部下と一緒に働いて貰いましょうか) クルールに背中を向けた後に拳を開き、掌の上で蠢く赤い液体を見詰めながら、心の中で呟いた。 「待てー!」 「逃げるなー! スクラップにしなきゃ、オレ達が叱られるんだー!」 クレムリン軍団が追い掛けて来る。その軍団から逃げようとする者がいる。者と言っても、それは『箱』の形をしているが。 ワニ達と同じ位の大きさで、オモチャにも思わせるビビットカラーでコミカルな模様をした箱が、床につく度にバウンドを繰り返しながら逃亡する。 そしてその箱は、窓を突き破り、高いところから海へと落ちていく。そして、水飛沫を上げた後は海の中へと沈んで行った。 ガラスを破られた窓からワニ達が顔を出し、その中の一匹が頭を抱える。 「に、逃げられちゃった! どうしよう! クルール様に叱られてしまう!」 「……いや、どの道海の底に沈むなら処分したのも同じなんじゃないか?」 「……それもそうか」 そんな話を交えた後、ワニ達は何事も無かったかの様に船の中へ戻っていった。 闇の夜が、やがて朝の色に染まり始める時間。 波の音を奏でる海の中から、何かが現れた。闇と逆光に寄りシルエットだが、ビックリ箱のオモチャな姿をしており、疲れ果てているのか、這い上がるように、海岸までゆっくりと移動して行く。 「畜生。覚えてろよ……クレムリンの奴等……っ」 肩で息をしながらそう吐き捨てた後はやがて力が抜け、岩陰まで這った後はそのまま気を失ってしまった。 DKアイランドのジャングルでは、ゾウが鳴き声を上げ、キリンは食事をし、鳥たちは木の上でのんびりと昼寝をし、それぞれの動物達が当たり前の様に、のんびりと過ごしていた。 木の枝に留まっている鳥達が、風に寄るものでは無い木々の動きに驚き、バサバサと大きい翼を羽ばたかせながら飛び去った。 「ディディー! 早く! こっちこっち!」 「そんなに急がなくてもバナナ園は逃げないよー!」 その正体は、彼等だ。 慣れた動きで、ジャングルの木々やツルを使っては移動をしている二匹のコング──赤いネクタイがお洒落なドンキーコングと、長い尻尾と赤い帽子がトレードマークであるディディーコングは、コング達にとって楽園でもあるバナナ園へ向かっていた。 そして、その二匹の後にも、ドンキーの仲間のコング達が続く。 「待ちーな! 二匹共速いっちゅーねん!」 ピエロの様な赤く丸い鼻を持ち、手がとても長く、関西弁を話すコング──ランキーコング。ランキーは、長い手足を使って移動しているが、二匹の速さに合わせるのでいっぱいいっぱいの様である。 「もう、確りしなさいよ」 ランキーの速さに合わせて移動している、青い服に黄色いツインテールをした女の子のコング──タイニーコング。既に息切れしそうになっているランキーを見て、タイニーは呆れていた。 「み、皆、待ってよー!」 そして、一番後ろから必死で追い掛けているコング。黒い毛並みで、ドンキーより大きめの体格であり、小さい帽子を被っている心優しいコング──チャンキーコング。 この五匹のコング達は『コング・クルー』と呼ばれ、皆であちこち冒険しており、全員が固い絆で結ばれている。 「……ん?」 ふと、ドンキーは前方の奥に目を遣り、何かを見付けると、そこへ向かって移動を始めた。 「あれ? ドンキー、どうしたの?」 「バナナ園はこっちやで!」 ディディーやランキーらが、彼が方向転換したことに見開き、ドンキー以外のコング達全員が止まった。 「奥で何か光ったのが見えたんだよ」 ドンキーはそれが気になり、仲間達に呼ばれるのも聞かず、その場所を目指して行った。残されたコング達は一端顔を見合わせた後、彼等もドンキーの後をついて行く事にした。 「久し振りに見ましたね……」 「マリオ殿がこうなるのは、最早運命(さだめ)なのかも知れんな……」 リンクとマーシスは、マリオの方を見てそう呟いた。 ジャングルへ、欠片に寄り導かれたスマッシュ戦士達。マリオ以外は全員無事着地したが、問題のマリオは、またもやピカチュウやカービィ達の下敷きとなり、地面に伸びてしまっていたのだ。 「くぅ……今度こそこんな事にならない様気を付けてたのに……」 マリオは地面に突っ伏しながら言った。 「……マリオって、いつもこうなの?」 「……そう、みたいだね」 マリオ達に対し少し目を丸くしたラフィットに、ネスは苦笑を零しながら答えた。 「! ピカッ?」 ピカチュウはある気配に耳をピクッと動かし、マリオの背中から下りると、とある方向をジッと見ていた。 「いててっ……ん。ピカチュウ、どうした?」 マリオは自分の頭を片手で撫でながら体を起こし、ピカチュウの隣まで歩く。ピカチュウの目線の先が気になり、マリオ達も同じ方向を見た。 前方の奥から、ツルや木の枝を飛び越えてやってくる、複数の影があった。だが、殺気は感じられない。と言うことは、このジャングルに住む者? そしてその者達は、掴んでいたツルや木の枝を手放すと、マリオ達の目の前で着地した。マリオやピカチュウ達は、それが自分達の仲間だと分かると、直ぐに笑顔になった。 「ドンキー! ディディーも!」 「ウホッ! マリオ達だ!」 「マリオ! 皆! 久し振りじゃん!」 ドンキーコングとディディーコングも、マリオ達と同じスマッシュ戦士である。それ以外でも、マリオとドンキー達は昔からの仲であり、良きライバル同士の関係にあった。 そして後に続いて現れた三匹は、スマッシュブラザーズを見て少々驚いた顔をしていた。 「マリオ達じゃないの!」 「おお。暫く振りだな、タイニー! 後それから……」 マリオは、コング・クルーの中でまだ面識の無い二匹のコングを見た。それを見たドンキーは、ランキー達に代わって紹介をしてやる。 「ウッホ! マリオ達は初対面だったっけ? ランキーコングと、チャンキーコングだよ」 「ドンキー達の仲間なんか。ワテはランキーや。以後よろしゅー頼んますわ」 手の長いランキーコングは両手を地面に当て、深々と頭を下げた。 「チャンキーコングだよ。宜しくね」 チャンキーコングは、後頭部に手を当てながら頭を下げた。 「彼はとっても優しいコングで、ボクより力持ちなんだよ。凄いよね」 ドンキーは、チャンキーの肩に手を回すとそう言った。それを聞いて、マリオは驚きの顔になる。 「そうなんだ? すごいんだなぁ、チャンキーは」 「……でも、リーダーはドンキー。コング・クルーで一番、頼れる」 焦りと照れ顔をしながらチャンキーはそう言い、ドンキーは歯を覗かせ笑顔になる。そんな彼等を見て、スマメンは微笑ましく思った。 「ところで、どうしてマリオ達はオイラ達のいる島に来れたんだい?」 マリオ達に向かって、ディディーは口を開いた。 「マスターの王様に寄ると、この世界にはマリオ達は来れないって聞いたんだけど」 「おっと、そうだった。実は今こんな事になってて……」 「ウッホ! マスターハンドの宝物が!?」 ドンキーとディディーは見開いた。後の三匹はどう言うことかさっぱりと言った様子だった為、マリオはそのことについても詳しく説明した。 「と言うことで、この世界のどこかにも、マスター王の宝物の一部があるんだ」 「なるほど。難しいことはよく分かんないや」 今まで真剣に話を聞いていたコング達だが、その中でドンキーは腕を組むと突如そう言い、マリオ始めスマメンは危うくこけるとこだった。 「ドンキーはリーダーって聞いたんだけど……」 「頭が良いのと頼れるのは別ってことや。混同したらあかんで」 ランキーは諦めているのか、肩を竦めながら半目で言った。 マリオは一度溜め息を吐いた後、軽く咳払いをした。 「つ、つまり簡単に言うと、この世界に落ちた大事な欠片を探してるってことっ。コング・クルーは、何か知ってる?」 「うーん……」 問うて来たマリオに対し、コング・クルーは難しい顔をして唸っている。どうやら良い返事と言う望みは薄い様だ。 その時、腹の虫が思い切り鳴る音が全員の耳に入った。 「あ! そう言えばボク達、バナナ園へ向かう途中だったんだ」 ドンキーは鳴らした自分の腹を見下ろし撫でながら、もう片手で頭を掻いた。それに続き、残りのコング達も思い出したかの様な顔をした。 「皆も食べない? バナナ園に行けば、美味しいバナナがたっくさんあるよ。沢山持ち帰ってバナナパーティを開く予定だから、マリオ達もおいでよ」 「わぁ! バナナ食べたーい! 僕もお腹空いてたんだよー!」 カービィは目を輝かせ、はしゃいでいた。今はそれどころじゃ、と思っていたスマメンだが、彼等を見ると次第にやれやれと言った気持ちになった。それに、腹が減っては何とやらだ。 「それじゃあ、バナナ園へレッツゴー!」 ドンキー達は木の上まで器用に上り、ツタや枝を使って木々を飛び移って行く。見失わない様、マリオ達は駆け足でドンキー達の後を追った。 「欠片のことは、もしかしたらクランキーが何か知ってるかも知れないよ」 空中散歩をしながらディディーは言った。 「クランキーもバナナパーティに参加するから、バナナを持って帰った後に聞いて見るのも良いかもね」 「分かった。サンキュー、ディディー」 そう言ってくれた彼に、マリオは軽く口端を上げ、感謝を言葉にした。 「本当に大丈夫なのですか、我々ギガ軍が手を貸さずとも?」 「ふん。貴様らギガ軍は、我々クレムリン軍団の本当の恐ろしさをまだ知らない様だからな。ブラストマティックが動けなくとも、ドンキー達をコテンパンにしてやる!」 腕を組み前のモニターを見詰めながら、クルールは得意気に言う。 ディバは軽く口端を上げながらも密かに溜め息を吐いていた。どうやら呆れている様子である。 「それは、楽しみですね」 「さて、ご挨拶に行くが良い──アーミィ・ジロー!!」 クルールは声を上げながら、椅子の傍に設置してあるボタンを叩く様に押した。 クルール達を乗せた船のどこか暗い所で機械が作動し、機械音が響き始める。 その場所の中で、白くも鋭い目がギラリと光った。 ──to be continued── |