頑なな秘密








 マリオ達がいた深緑の森に住む動物達が、何か危険が迫ることに気付くと、全員その場から全速力で逃げ出した。
 その数秒後に現れた、殺気を身に纏った男。本人が無意識であろうと、近付くことさえ恐れてしまうオーラに常に包まれていた。

「くっだらないなー。本っ当に」

 ディバは立ち止まると同時に、深い溜息をつきながらそう吐き落とした。苛立ちと言うよりかは、呆れている様子だ。

「皆もそう思わない?」
「ええ、全くですね」

 前を向いたまま、目線を背後の者達に問い掛けた。最初に応えたのは、彼の後ろにいるリンクのクローン──ミエールだ。
 ディバの後ろには、ギガ軍が続いていた。

「『こんな世界を創る』奴の脳味噌を調べたいよ」
「偉大なるギガ様だったら、もっともーっと素晴らしい楽園を創られるのにねー?」

 ディバの肩に飛び乗ったカービィのクローン──リズは、クスクスと笑いながら言った。ディバもリズを一瞥してからヒヒッと肩を震わせた後、「全くだ」と、賛同の言葉を示した。

「ま、そんなことより、だ。スマッシュブラザーズも、既にこの世界に来ている」
「ならスマブラを早く八つ裂きにしちゃおーよ!」
「慌てない慌てない。今回は、『奴』の力を借りらなきゃならない」
「えー? まだ『未完成』なのに大丈夫なの? なんでそんな奴に任せるのさぁ」

 リズは納得がいかず、不機嫌に頬を膨らませた。リズだけでなく、ギガ軍の他の者達も一部動揺を隠せなかった。

「……これだから単純な奴らは困るね。だからスマブラと言うゴミに簡単に倒される連中なんだよ」

 ディバは後ろの連中を鋭い目つきで睨みつけ、彼等にも聞こえる位の音量で悪態を放った。口元は妖しげなニタリとした歪みの仕方だった為、ギガ軍の者達は、そんな彼に思わず息を呑んだ。
 そしてディバがいつもの嫌味を含んだ微笑に戻り、鼻で笑うと再び前へと歩き出した。

「ま、未完成なのは強ち間違いじゃあ無いけどね。せめて『実験台』と言って欲しかったなぁ?」
「その『実験台』なら、既に行動を始めてるみたいだな」

 サムスのクローン──ヴェンテは腰に片手を当て、歩くのもつまらなさそうにしながら言った。

「ああ。奴に動いて貰わにゃなぁ?」
「やだやだー! 早く暴れ回りたいー! スマブラの奴らをハンマーで粉々に潰したいー!」

 我が儘に手をバタバタさせるリズ。そんなリズをディバは横目で愉しそうに見て、ほんの暫くの間、相手の様子を見ていてから口を開いた。

「リズ、誰がスマブラとは戦っちゃいけないって言った?」
「え? じゃあ……」
「奴はあくまで『実験台』だ。あることをして貰う。そして君達のすべきことは、だ」

 ディバは邪気を含んだ怪しい笑みへと変わり、誰に向ける訳でも無く、前方に親指をゆっくりと立てると、その親指を素早く下の方向へと回した。

「気が済むまで、否、済んだ後も、スマッシュブラザーズを粉々にしな!」
「やったー!」
「クク、言われなくとも」
「お安いご用だぜ、ディバ隊長」

 フォックスのクローン──ガフィと、ファルコのクローン──ジビンダーは、それぞれブラスターを構えながら言う。

「ひゃっはぁ! 早く戦いたくてうずうずしてるぜぇ!」

 C.ファルコンのクローン──フーディアンは拳を鳴らし、舌なめずりをした。

「暑苦しい男は苦手でしゅ」
「ピッチュ」
「ピカァ」

 プリンのクローン──クーシー、ピチューのクローン──ジッティ、そしてピカチュウのクローン──クルヴィは、呆れ顔をしつつ、遠目でフーディアンを見ていた。

「我々の軍事力は順調に上がっているが、スマッシュブラザーズも実力を上げているのは確かだ。油断ならぬぞ」

 メタナイトのクローン──フビルは、マントを身に包んだ状態で歩みを進めつつ語る。

「ギガ軍のクローンも大分倒されたからなぁ。本当油断出来ないよ」

 マリオのクローン──デークがそう言うが、どこか楽しそうに語っている。ただ自分の実力を確かめたいだけの口で、クローンを倒された仇を取ると言うことは、これっぽっちも考えていないだろう。

「……」

 ディバはそんな彼らにフッと鼻で笑った後、懐から赤い液体の入った小瓶を取り出した。
 この液体は、これまでもミエールに力を貸したり、マリオ達の敵を一時甦らせたりと、スマブラにとっては苦戦を強いられたものだ。

(君には驚いたよ。『サーシュン達と同じ様に消滅したかと思った』けど、まだまだ戦える力は十分ある。一から洗脳のし直しだ)

 ディバはニヤリとした笑みの儘、心の中でその液体に語り掛けた。
 液体はその言葉に反応を示すかの様に、小瓶の中でチャポンと跳ねた。




「着いたぁ。ここがタツマイリ村だよっ」
「わあぁ!」

 パッションさん達に見送られる中、マリオ達はオソヘ城を後にした。
 そして場所は打って変わり、ドラゴに乗ったリュカ達に案内されたマリオ達は、タツマイリ村へと到着した。
 羊や豚、牛などの鳴き声が響き渡る。焼いてるパンの良い香り。井戸の前でお喋りしている、女性達の井戸端会議。ベンチにのんびり座っている男性──とても閑かで平和な村を印象させた。

「良い村に住んでるんだね」
「えへへ」

 マリオが微笑んで言うと、そう言ってくれたリュカは、住人として嬉しく思い、微笑みながら頬を掻いた。同じくクラウスも歯を見せながら、ヘヘッと笑った。
 そして、針と卵のことを頼んだ本人に会いに行く為にマリオ達は村へと入った。
 村の中を歩いていると、通りがかる村人達がこちらを向いては、

「おお! お帰り、リュカにクラウス! それと……クマトラとダスターっ」
「あら。帰って来たの。お友達もいっぱい連れて来たのね」
「ただいま、皆!」

 それはまるで、家族の様な仲だと、マリオ達は笑顔で挨拶している彼らを微笑ましく見ていた。
 一方のマーシスは、その場からキョロキョロと村を見渡している。

(……欠片の気配は無し、か。もっと遠くにあるのかも知れないな)
「そうだ、あの人に針のことを伝えなきゃ」
「そうだ、あの人に卵のことを伝えなきゃ」

 ほぼ同時にほぼ似た様な言葉を放ったのはリュカとクマトラである。それに気付いたスマブラは二人を見、二人は見開いては顔を見合わせた。

「クマトラ、頼んだ人ってもしかして……」
「リュカの考えてることはオレも同じだな。『イオニア』に頼まれたんだよ」
「僕もだよっ」
「イオニア?」

 初めて聞いた名前にマリオはぽかんとした。

「今からその人に会いに行くんだよ」

 リュカはマリオに振り返って言った。
 その時、スネークがふと空を見上げると、何かがこちらへ飛んでくるのを、額に手を翳して見た。

「おい、何だあれは?」

 彼の一言で、スマブラ達も見上げた。
 こちらに向かって、何かが浮遊して来るものがあった。紙の様に波を描いて向かって来る。良く見ると、人の形をしていた。

「な、何か恐いでしゅ……」

 プリンはファルコの後ろに隠れながら恐る恐る言った。
 リュカもスネークと同じく、額に手を翳して良く確認をしてみた。
 すると見覚えのある姿なのか、声を上げた。

「イオニア!」

 それが地面に着地した瞬間、紙の様だったものが、ちゃんとした人間の形へと変わって行った。そこで相手の姿を、マリオ達は漸くハッキリと見た。
 黄緑色の少し派手な衣装を身に纏う。顔は髭の剃り残しが目立ち、どう見ても男性だが、女性らしく化粧もされている風に見えた。

「お帰り! 無事に帰って来ると信じていたわ!」
「わっ」

 そしてリュカ達を見るや否や、満面の笑顔を描いては彼らを強く抱き締めた。

「イ、イオニア……く、苦しいよ……」
「えっ? あらやだ、ごめんなさいね!」

 イオニアの抱き締める力が強い為、窒息してしまいそうになっているリュカ達。言われて漸くその事態に気付いたイオニアは慌てて腕を解放した。
 解放されたことで、リュカ達は空気を思い切り吸うことが出来た。

「……あらっ。お見苦しいとこを見せちゃったわね。ごめんなさい?」

 イオニアは、ぽかんと見ているマリオ達に漸く気付くと、口に手を当て僅かに赤面してから、一度咳払いをしては気持ちを改めた。

「わたしの名前はイオニア。この子達に針とタマゴのことを頼んだのは、このわたしよ」
「僕はマリオ。キノコ王国に住んでるんだけど、スマッシュブラザーズの隊長もやってるんだ」
「スマッシュブラザーズ……噂は聞いているわ」

 イオニアは口に指を当て、考える仕草をしながら言葉を零した。
 そうしてる間も、マリオは今いるスマブラのメンバーを紹介していった。

「あらっ。もしかして、あなたもPSIが使えるの?」
「え? あ、うんっ」

 突如イオニアに肩を掴まれたネスは思わず肩を上げたが、相手の質問には素直に頷いた。

「スマッシュブラザーズの中に、リュカ達と同じく、超能力PSIを持つ赤い帽子の少年がいるって話を聞いたんだけど、本当だったのね……オソヘ城の針から別の不思議な力を感じると思えば、貴方もPSIに寄る結界を手伝ってくれたのね。ありがとっ」

 感謝の意か、イオニアはリュカ達と同じ位の力でネスを強く抱き締め、おまけに彼の頬にブチュッと音を立ててキスをした。そうされると、ネスは一瞬鳥肌が立ってしまう。

(そう言えば今の言葉……)

 そんな彼らのやり取りを苦笑いしながら見ていたスマブラだが、その中でマリオはふと考えていた。イオニアの言っている言葉はさり気ないものだったが、一部疑問を抱いた言葉があったのだ。

 ──オソヘ城の針から別の不思議な力を感じると思えば──。

 オソヘ城のあの針の場所と、タツマイリ村の中でもここまでの距離は、大分離れている。それなのに、イオニアは別の力を使ったことに気付いた。さっきの空の飛び方と良い、イオニア自身も、何か特別な人間なのだろうか。

「イオニア。お取り込み中に悪いけど、これも忘れて貰ったら困るぜ。皆と協力して、命懸けで持って来たんだからな?」

 クマトラは呆れた微笑を浮かべながら、イオニアの側まで来ると、神秘的に輝くタマゴを差し出した。

「勿論忘れてなんか無いわ」

 ネスから腕を解放すると、今度はクマトラを今度は優しく抱き締めてから、「ありがとね」と感謝の言葉を言い、彼女からタマゴを受け取った。
 解放されたネスは慌ててフォックスの後ろへと身を隠した。

「……あの、イオニア」

 そこでマリオが漸く口を開いた。名前を呼ばれたイオニアは彼に振り向く。
 訊きたいことは幾つかあったが、先ず最初に訊きたいと思ったのは、

「オソヘ城のあの針と、このタマゴは、一体何なんでしょうか? 何か特別な力を感じますが、それが何なのか──良かったら教えてくれませんか?」

 それを聞いたイオニアは、暫く腕を組み、余所を見ながら考えていた。そんな間が続いた後、漸くマリオ達に向き直して口から出た言葉は、

「今は教えないわ。もしかしたら──ずっと教えることも無いかも」
「ええーっ?」

 リュカ達とマリオらスマブラは驚かざるを得なかった。

「リュカ達にオソヘ城へ行かせたのは、わたしが伝授したPSIのテストを行う為だったのよ」
「! イオニアはリュカ達の師匠だったのか」

 先程の言葉や力に対し、マリオは漸く納得がいった。

「針やタマゴは凄く大事なものだから守って欲しいとは言ったけど、それ以上のことは言って無いわ。リュカ達はそれを承諾した上で行って来たの。スマッシュブラザーズのみんなが手伝ってくれたのはちょっと驚いたけどね」
「おい待てよ」

 ファルコは少々苛立った口調と表情で、イオニアを軽く睨みながら一歩前に出た。

「PSIのテストだか何だかそれは別に良いけどよ、命懸けで守ってやったってのに教えねーとはどう言うことだ。納得いかねーよ」
「そうだよー! お化けだけじゃなくてブタの集団まで現れて大変だったんだからー!」
「!」

 彼等の言葉を黙って聞いていたイオニアだが、カービィの今の言葉には僅かに反応をしていた。それを、スマブラの後ろに立っているマーシスとメタナイトは見逃さなかった。

「ファルコ、カービィ、良いさ」

 彼等に振り返り、首を横に振っては宥めたのはクマトラだった。

「イオニアの言うことは確かだ。オレ達はPSIをマスターした後、オソヘ城へ行く様に言われた。大事なものをわざわざオレ達に守らせたのは、それだけイオニアはオレ達を信頼してくれているってことなんだから」
「だけどよお……」
「──話してあげなくも無いわ」
「えっ?」

 突如気が変わったイオニアに、マリオ達やクマトラは見開いた。それを言ったイオニアはどこか浮かない表情をしているが。
 マーシスとメタナイトは無反応の儘、イオニアを見据えていた。

「ただし、明日。明日話すわ。今日はこのタツマイリ村でゆっくりと心身を癒して頂戴。いいわね?」

 人差し指を上に向けながら、イオニアは長い睫毛を持つ目でパチンとウィンクをした。

「……そうだな。今日はこの村でお世話になるか」

 マリオはイオニアの言葉に仕方無く頷き、他のスマブラメンバーに振り向いた。

「うん! いっぱい戦ったからお腹空いちゃったし!」

 フォックスの肩の上にいるカービィは片手をパタパタと振りながら言った。

「この村は美味しいパンを焼くとこがあるから、皆で食べに行こう!」

 カービィの言葉を聞いたクラウスは目を輝かせながらそう言った。リュカも微笑んで頷いた。

「わーい! 食べる食べるー!」
「カービィは程々にするんだぞ?」

 フォックスは苦笑いを浮かべながら言い、そしてマリオ達はタツマイリ村の中へと戻っていった。
 マーシスとメタナイトは、背後を向けて何やら考え事をしているイオニアを見ていたが、暫くして二人もマリオ達の後を歩いて行った。




「たあぁっ!」

 タツマイリ村から少し離れた丘の上。
 掛け声を上げ、ネスは大きなドラゴに向かって思い切り突進した。体をぶつけられたドラゴは唸り声を上げながら倒れるが、暫くすると何事も無かったかの様にムクリと起き上がった。

「やるじゃん!」

 側から応援しているリュカとクラウスがそう言った。
 実はこれはバトルでは無く、ドラゴと遊んでいるだけである。ドラゴは子供がぶつかって来る度、態と倒れると言うやられ役をしていた。彼等もドラゴも、この遊びが大好きだった。

「ワン! ワン!」
「ギャオー!」

 リュカの隣、クラウスとは反対側にいる、リュカ達のペットである茶色い犬のボニーと、小さな子供ドラゴも、この遊びを見てははしゃいでいた。

「子供達はずっと元気だなぁ。遊び始めた時は僕達はパンを作り始めた時だったのに、まだドラゴと遊んでるんだっ」
「ふふ。そうだな」

 そんな彼等が遊んでいるところを、マリオとサムスは遠くから微笑ましく見守っていた。

「──あっ。そろそろパンが焼き上がるかな?」

 マリオは仲間達と共にパン作りをしている最中だった。焼き上がるのに少し時間が掛かる為、ここまで散歩に来ていたが、パンの香ばしい匂いがここまで漂って来るとマリオはハッとした。

「そろそろ戻らなきゃな。じゃっ!」
「分かった」

 サムスとマリオはその場で別れ、サムスはまだ行っていない場所を歩くことに決め、歩き出した。
 軽く見回しながら歩を進めていると、気付けば驚きの光景を目の当たりにした。

「……!」

 それは、息を飲む程だった。
 目の前に広がるのは、満開の向日葵畑だった。それはまるで海よりも広く思える程の大きな花畑で、見る者は心を奪われるであろう。

「こんなところがあっただ何てな……」

 サムスは、気付けば向日葵畑をずっと眺めていた。そこへ横から人の気配を感じ、素早く顔を向けた。
 そこに立っていたのは、『可憐』と言う言葉が似合う顔立ちに、茶色の長髪を持ち、赤い服を着ている女性だった。サムスに向けられたその微笑みは、どこか儚げに思えた。

「ここの向日葵畑は、わたしのお気に入りの場所なんですよ」

 サムスの直ぐ隣までその女性は歩み寄ると、向日葵畑を見ながら言った。

「家族と、良く見に来ていたわね」
「今は、余り来てはいないのか?」
「……」

 サムスの問いに女性は口を開かなかった。そしてその問いには応えず、代わりに出した言葉は、

「変わろうと言う意思も無くなると、何度やり直そうとも、同じ事を繰り返すのに……」
「え?」
「人は死んでも、魂となって見守っている。ずっと……」
「──?」

 彼女の言葉に、サムスは理解しようにも難しかった。そんなことを言った女性を見るだけしか出来なかった。
 暫くして、女性はサムスと目を合わせると、再び優しく微笑んだ。

「あの子達をお願いします」
「……」
「サムスさん」

 背後から子供の声がし、ハッとして振り返った。そこにいたのは、リュカだった。

「もしかして、お母さんのお墓参りに来てくれたの?」
「お墓? 何を言って……」

 確かここは向日葵畑だと思いながら顔を戻した。だが、サムスの目の前には向日葵畑は無く、丘の上の墓石があると言う光景だった。向日葵は、その側に数本咲いている。

「このお墓の下に、僕達のお母さんが眠っているんだ。向日葵の花が大好きな、凄く優しいお母さんだったんだよ」

 リュカは墓石の前へ来るとしゃがみ、墓石を見詰めていた。犬のボニーも彼の隣に座り、クゥーンと声を上げた。

「……そう」

 サムスは、先程の女性の事をふと考えていた。
 だがリュカに対してはこれ以上詮索しないことにし、リュカの寂しそうな後ろ姿をその場から見守っていた。




 やがて、タツマイリ村の空は夜の闇に染まった。
 時刻は既に深夜で、マリオ達含め村の人々は、今日の分の疲れを癒し、明日に備えて夢の世界へと旅に出ていた。
 その中、タツマイリ村からヒール音を鳴らしながら出る者がいた──それはイオニアである。深刻な表情をしながら、ある場所へと向かっていた。
 暫く歩いていると、次第に機械音の様な轟音が地面や空間を揺るがして来た。イオニアはその場所へ着いては立ち止まる。

「何だ、お前は?」

 そこには、戦車と、先日マリオ達がオソヘ城で出会したブタマスクが何人かいた。彼等はイオニアに気付くとそれぞれ光線銃を構える。

「あなた達、また洗脳でもされたの? 『世界は生まれ変わった』と言うのに……いい加減改心してくれないかしら」

 イオニアは肩を竦めた。

「どこの誰だか知らないが……」
「仕事の邪魔をするなら黙ってられないぞ!」

 ブタマスク達は光線銃を構え直すと、イオニアに向けて光線を放った。
 イオニアはそれを見た儘動じず、回避しようと片手を上げようとした。
 その時、イオニアの目の前に二つの影が現れ、光線を弾き飛ばしたのだ。

「なっ!?」
「あら?」
「無事か、イオニア殿」

 二つの影の正体は、メタナイトとマーシスだった。イオニアの目の前でお互いの剣をクロスしては光線から守ったのである。

「あなた達は昨日の……」
「ブタマスクのことを聞いた瞬間、イオニアの様子がおかしかったから、気になっていたのだ」
「二人共、話は後にしよう」
「そうだな。先ずはこのブタマスク達を追い払おう」
「……解ってるわ。でも先ずこれだけは言わせて?」

 イオニアはメタナイト達の間に入り、ブタマスク達に、攻撃の為に人差し指を向けながら、こう言った。

「助けてくれてありがと!」

 その言葉に、二人はフッと笑んだ。
 そして、ブタマスク達との戦いの為、三人は攻撃体勢に入った。










 ──to be continued──