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想いを交わして リンクとピットは、夕方になるとマリオ宅を後にした。マリオの精神は大分回復した為、二人は後はワリオに看病を任せることにした。玄関を出る際、二人が見合わせて密かに微笑んでいたのに、ワリオは気付かなかった。 リビングにあるテーブルに目をやると、そこにはキノコスープが置かれてあった。マリオの大好物料理の一つである。しかし、今はどうだろうか。 クローンがマリオに飲ませたキノコスープには薬か仕込まれてあったらしい。マリオが行方不明になったあの時、ワリオら三人は事実確認をする為マリオの家へ向かった。そこには荒らされた跡があり、キノコスープを溢した器がテーブルから引っくり返っているのを見た。リンクが溢れたそのスープを指先から少し味わうと、薬が仕込まれていたのだと分かった。 ワリオはスープの入った器を持った。体を温かくするには最高の料理。今のマリオがこれを克服出来るかどうか、ワリオは心配でならない。 だが、早く元気になって欲しいのだ。戦士達はリーダーだからだと思うが、ワリオだけは違って大切な人である。傲慢な自分らしく、無理にでも飲ませてやる。 マリオの部屋に入ると、彼は、窓の外の炎色の夕焼けを眺めていた。 「マリオ、食いもん持って来たぞ」 「お。サンキュ……ッ!」 マリオが振り向いた時、ワリオの持っている料理を見た反応は、案の定であった。ワリオはそれでも遠慮の欠片を(わざと)見せず、マリオの側で腰を下ろした。マリオの表情はいきなり気弱になる。ワリオはマリオのベッドの膝部分に、キノコスープをそっと乗せた。 「マリオ、食いたくないのは分かってる」 ワリオは、少し苦し気に話し始めた。マリオはそれでも、彼とスープから顔を反らしている。 「だけどな、あれからてめぇは何も食って無いだろ。何か食べないと体に毒だぞ」 「だ、だからって……っ」 「何でこの料理を出すかってか? 早く元気になって貰いたいからに決まってる。その代表料理だ。他の奴らも皆そうだし、お前は仮にもリーダーなんだからな。皆をまとめる、唯一のスマッシュ戦士なんだぞ」 マリオは、チラッと料理に目線を向けたが、未だ躊躇いの色を見せている。キノコスープはトラウマの元凶。だけど大好物だから、マリオも本当は味わいたいに違いない。体が脳と直通してないらしくて、体が僅かに震えているのが分かる。 ワリオは顔をしかめたが、直ぐにあることを思い付いた。 「なら仕方ねえ」 ワリオはそのスープを手に取り、木で作られたスプーンでそのスープを一さじ分掬った。そしてそれを口に入れ、また背けたマリオの向こう側の頬を軽く掴んでは無理矢理こちらへ向かせると……、 「っ!? んっ……ぅ……!」 マリオの唇を奪い、その口付けは直ぐに深くなった。口に含んだスープを相手の口内に移す。 「んぁ……は……っ」 激しい接吻は続き、何度も彼の中を貪る。舌を捕えてはきつく絡め取り、溢れ出た唾液が互いの服を汚しても2人は気に留めなかった。 そう、2人は──。 「ふ、……ぅんっ……」 マリオはワリオの背中を抱き締め、ワリオも彼を強く抱擁した。 今迄感じられなかった、愛しい彼との愛する行為。耐えきれなかった時間だけが、虚しく過ぎていった。しかし、もう二人はこうして共に時間を過ごすことが出来る。誰にも束縛されない。束縛して良いのは、目の前の恋人だけだ。 ワリオはそのまま体重を掛け、彼をベッドへと沈めた。 灯りのついていない、只暗闇の世界。その世界に響くのは、熱い吐息と、淫らな水音。 「俺様は良くて、スープは駄目なのか?」 ワリオは微笑しながら、マリオの肌をあちこち優しく噛みながら云う。跡を作る度、マリオの口から悲痛な声を聞いた。 「っ……ワリオが……いたから、だよっ……」 震える声で紡ぐ。 「なら、無事克服出来たんだな?」 確かめる為に顔を上げると、マリオは縦に一回頷いた。少し、口端を上げながら。 やっとその笑顔を見ることが出来た。その嬉しさに、ワリオも自然と笑みを溢してしまう。 「っあ、は……!」 ツプリ……と、マリオの坑に中指を埋め込んだ。そのまま抜き差しを繰り返し、中をほぐす。人差し指も挿し込んで、徐々に速度を上げていった。 「は、ん、んっ……!」 「何だ、もう濡れたのか? 呆気ねえなぁ」 「うーっ」 マリオは顔を真っ赤にさせては弱々しくワリオを睨んだ。あまりに迫力の無い表情に、ワリオはプッと吹き出す。 「わ、笑うなよ!」 「……悪い」 詫びのつもりで、ワリオは彼の中のしこりを指で擦った。 「ひゃ!」 マリオの躯がビクリと跳ね、ワリオが握っていた彼の自身も蜜を溢れ出させる。そこの皮も丁寧に掌で擦り、膨らませる。 手を速める度にマリオの息も荒れてくる。それに気を良くしたか、ワリオは何度も何度も彼の腺を刺激し、絶頂へ追いやろうとした。自身の坑も親指でグリグリとこね、耐えきれない蜜を楽しむ。 「ひっぐ、あ! だ、駄目……、んぐ……!」 「もう少しの辛抱だ」 「あ、ぁ……!」 ワリオは膨らんだそれを口に含み、巧みに舌を使って幹を舐め回す。白濁のほろ苦い味が、喉を通り越す。 その間にも中への愛撫は止まず、マリオは快楽に耐えきれず、ワリオの髪を両手で鷲掴みした。だが足はそれに反抗し、快楽の物欲しさにワリオの首に絡み付いている。 「ワリ、オ……! もう…イかせて……よ!」 「……良いぜ、もうイきな」 「あ、ああぁっ──!」 ドクンと躯が脈打ち、マリオはワリオの口内で己の熱を解放した。遠慮の無さにワリオは一瞬躊躇うが、一滴も溢さず全てそれを飲み干した。 ワリオは脱力したマリオを優しい目で見つめ、軽い口付けを落とした。 マリオは何を思ったか、ワリオの肩を掴むと体を起こした。 「お? マリオ?」 「…………」 既に反応仕切っているワリオの大きくて赤黒い自身。それをジッと見つめ、小さく唾を飲み込んだ。 口からは荒れた呼吸だけで何も言葉を出せないか、代わりに上目使いで語った。ワリオはその表情にドキリとし、マリオの頭を軽く掴んだ。互いにイきたいと云うんだな。 マリオはワリオの自身を両手で包み、優しく揉みだした。そして尖端にチュッとキスをし、可能な限り奥深くまで口に含んだ。初心者にしては中々のテクで、ワリオも堪らなく僅かに身震いした。 「本当に、初めてか?」 「ん……」 マリオは目線を上げて返事をした。その目が厭らしく、ワリオのがピクッと反応をした。 「中々のっ、上出来だな……。クローンにだったら、こんなことやらないだろ」 「っ……」 少し意地悪を吐いてみるが、マリオはそれでも必死で愛撫をしている。 「…………」 マリオは、本物であると認識しきっているからこそ、こう言う行為を好ましく思っている。ワリオは、つい喋りすぎたことに少し反省した。彼にしては珍しい態度だ。マリオにしか分からない、ワリオの別の感情。 「ん……ちゅ……」 「っ、マリオ……っ」 流石のワリオも限界へ陥る。マリオの、自身の尖端へのキスが止めであった。 「んんっ……!」 ワリオは溜らず、マリオの口内へ熱い蜜を吐き出した。マリオはいきなり出されたことに見開き、気管にそれが直撃した。 「っ……ゲホッ、ゲホッ!」 「マ、マリオ! 悪い、大丈夫か!?」 マリオは口から急いで離し、むせた。粘りけのある液体が喉から上手く取れないのか、暫く咳が止まらなかった。 ワリオは、今度こそマリオを傷付けてしまったと己を責めた。自分の気持ちがやっと伝わったと云うのに、結局俺様は、こうすることしか出来ないのか……。俺様のクローン同様じゃないか……っ! 「はぁ、……ワリオ?」 「…………」 ワリオはマリオを暫く擦っていたが、マリオが不審な目でこちらを見る。そんな目をしてくるのも……。 「俺様のせいだ……っ」 「?……」 マリオを強く抱き締めた。贖罪したくても足らない位に、強く強く、腕に力を込める。マリオが息苦しそうだが、気に留めなかった。 「クローンが現れたのは、俺様がいたからなんだよな……っ」 「っ……」 「原形がいるから、クローンがいるんだろ。マリオを傷付けたのはクローンだが、元はと言えば俺様がいるからだ。だから、俺様はクローンとおんなじなのだ……。……どんなに愛を囁き合ったって、愛あるSEXしたって……っ、駄目なんだ」 「ワリオ……」 情けなくも涙が溢れ、マリオの肩に滴り落ちた。こうして抱き締め合うのも、きっとこれが最後だ。これ以上、マリオに触れることは出来ないのだから。 「……それは違うよ」 マリオは呟いた。それは、優しい囁きだった。 マリオも、彼の大きな背中に腕を回す。 「ワリオはワリオだ。ワリオはクローンでもないし、他の誰でもない。……世界でたった一人しかいない、僕の好きな人なんだよ……」 「っ……マリオ……」 マリオはワリオの頬に手を添え、顔を見合わせた。 「笑顔でいてよ。お前らしくもない。僕の大好きなワリオは、こんな人じゃない筈だろ?」 「…………」 「ワリオは、誰にも、クローンさえ持っていないものを持ってるんだよ。それは、皆同じなんだよ?」 マリオはそう微笑み、キスをした。躊躇いも無い優しいキスを。 それにワリオは何かに目覚めた気分がした。彼を傷付けたのは自分のクローンだと云うのに、彼は本物の笑顔は自分自身にしかないと、怖がらずに伝えた。自分の今の感情が、本当の自分であると云う自信を持つことが、この時出来た。 有りのままで良い。それは、自分にしかない力なんだと、噛み締めた。 「……サンキューな、マリオ」 いつもの様に、歯を見せて笑った。マリオも嬉しそうに微笑み返す。 「こっちが慰めてるつもりが、慰められちまったな」 「フフ。解釈は任せるよ」 「──ああ」 表では仲間だからこそ、こうして励まし合える。そう教えたのは、確か自分だ。危うく忘れる所であった。 そんな自分を、リーダーでもある恋人が許してくれて、恐縮である。 「ワリオ、来て……」 マリオは彼の首に腕を回し、見つめて誘い込もうとしていた。ワリオがこれに弱いのを、この日分かった様だ。 「……俺様の、有るがままにさせて貰うぞ」 そう忠告すると、恋人はコクリと頷いた。 マリオを寝かせ、ワリオは愛撫された自身を彼の蕾に押し当てる。マリオの体が強張った。 「力抜け。心配するな」 「う、うん」 なるべく傷付けぬ様、亀頭をゆっくりと埋め込む。 「は……あ、く……っ!」 いきなりの締め付けに直ぐにイきそうになる。あれだけほぐしたのに、この力にはまいる。 ワリオはマリオの自身を握り、顔にキスの雨を降らす。それにマリオは何とか浅い呼吸を整えようとする。それを見計らい、ワリオは一気に突き上げた。 「ふぁっ! あぁうっ……!!」 マリオは短い悲鳴を上げた。だがそれは快楽のあえぎ。ワリオの自身が思い切り彼の腺を突いたのだ。 「マリオ、平気か。気持良いか?」 「あ、……ん、ぅん……い、良いよ……っ」 真っ赤に溶けた顔に潤う目。うっとりした表情で、ワリオの首に回してる腕に、弱々しい力を込めていた。 ワリオは彼の腰を抑えながら自分の腰を動かし、何度もピストンを行う。マリオも次第に溺れゆき、自ら腰を揺らしていた。水音が激しくなり、互いの興奮を煽らせた。 「ん、あ、あ、ひっう! ワリ……ワリオ……ッ、ぁ、ワリオ……」 「マリオ……っ、マリオ……」 何度も呼び合い、愛しい人が目の前にいてくれていることを確認する。 愛しい彼と一つになれる。こんなに嬉しい時間は無い。 何度も中を貫き、マリオの声が大分上がる。二人に限界が近付いた。 「マリオ……、イくぞ!」 「ひ、や……んぁ……も、ダ、ダメ、ぇ……! あああぁぁっ!!」 「っん……!」 マリオの白濁の液がワリオの腹へ吐き出され、ワリオも彼の中で蜜を解放した。結合部分からは耐えきれなかった蜜が溢れ、マリオの太股を汚した。 酷い快感の余韻にマリオの躯がガクガクと震え、やがて治まった。 「……マリオ……」 経験が浅い彼に対して少しヤりすぎたかも知れない。疲れ果てたマリオは直ぐに深い眠りについた。安らかな寝顔にホッとする。 「好きだぜ」 彼から出た後、ワリオは彼の汗ばんだ髪を撫で、囁いた。 ‥ 「あ、ワリオさん」 キノコ城でリンクと会話をしていたピットが不意に声を上げた。扉が開いた先には、ワリオが立っていた。 「リーダーの様子は?」 「ああ。もう心配要らねえよ」 ワリオがこちらへ歩きながら答えた。ピットとリンクは良かったと微笑んだ。 しかし、直ぐに顔をしかめる。 「……ワリオさん、リーダーと一緒じゃないの?」 「? 何でそうなる」 まるで、確信犯の様に二人は顔を見合わせ、クスクス笑う。それにワリオは(わざと)首を傾げたのだった。 マリオは確かに元気だが、それは酷い腰痛を除いてである。 ─Fin─ 【後書き】 長かったー! けれど小生はこれ位が良いのです(爆)。 やっと両想いになりましたが、ワリ様が何だか純情過ぎたでしょうか? イメージぶち壊さないと良いのですが(汗)。すみませんです……。 今度こそキTクなワリ様を書けると良いな(爆)。 |