ドラッグ症候群








 少量の雲が、風に乗ってゆったりと流れてゆく晴れの下、キノコ城のバルコニーにて。純白なテーブルに芸術的な白い椅子が置かれているのを見ると、素晴らしい絵になるに違いない。
 その椅子に腰掛けて仲良くコーヒーを飲む二人がいた。一人はピンクのドレスを身に纏った姫のピーチ、もう一人はこの城には似合わない、未来形のコスチュームを着た狐人のフォックス・マクラウドである。
 回廊にて偶然出会い、


「こんなに良い天気だし、青空の下で一緒に午後の時間をどうかしら?」


 と、ピーチが誘ったのだ。フォックスは身分をわきまえているので、相手は姫と言う高位に立つ女性だと言うのを忘れてはいない。向こうはそんなことは気にしてはいないが、フォックスはそれでもピーチや、他の世界の姫であるゼルダに無礼な真似は見せないのだ。
 ただ、会話する時はまた別。その時はスマッシュブラザーズモードとなり、相手の身分などお構い無しで、自分の口調や言葉遣いに任せていた。相手もその方が話し易いとも言うので、頼み事とかは相手を考えるが、こうしたゆったりした空間を楽しむ時は、平等な仲間として、確りと投げたボールをキャッチし、同じ速さと高さで投げ返しているのである。
 ミルクを注いだフォックスのコーヒーの中を、白がゆっくりと踊り溶けてゆき、黒と交わり、軈て色を変えてゆく。フォックスはそれを見て、ふと思い出した。
 夜に共に交わり、一色になる時間を過ごす、フォックスの愛しい恋人。
 その名は、PSIを使う超能力少年ネス。彼の見せてくれる、無邪気なその笑顔が、自然と自分の心を蝕む闇を、少しずつ取り払ってくれる。そして夜が訪れた頃の彼。自分が十分に慣らしたお陰か、彼からたまに誘う様になった。
 二人が仲が良いのは周りも知っているが、既に体を重ねた関係。この事実を知るのは、ほんの僅かしかいない。少なくとも、ファンシーズには一切口を開いていない。ネスもファンシーズの一人だが、口は固い方なので一先ず安心している。余りに知れ渡ると色々と気まずい気がしてならない。だから、ごくたまにそれが気になって、ネスを抱くのに失敗した時がある。無論、ネスはそれには少しガッカリしてしまった様子。それは自分も一緒だった。
 その事が頭をよぎると、小さな溜め息を漏らした。


「何か悩み事でもあるのかしら?」


 小さな息も聞き取った彼女は、中身を飲んだコーヒーカップを、小皿にカチャリと乗せた。その時も、彼女の青い瞳は、フォックスを確りと捉えていた。それをいきなり見抜かれたフォックスは誤魔化す暇も無くて、口に付けた後のコーヒーカップを小皿に置く時の多少なる慌てっぷりを見せてしまった。ピーチは面白おかしいと笑うところを我慢して、丸めた指で口を押さえるが、耐えられない口の隙間から息を吹き出していた。


「フォックスってば、本当に分かりやすいわね」

「う、うるさいなぁ。ピーチには分からないんだよ、俺の気持ちなんて」


 テーブルに肘を付き、手に顔を乗せるとそっぽを向いてしまった。
 そんな彼を見るピーチは笑みをやめず、やれやれと首を軽く左右に振った。そして彼女もテーブルに肘を付き、両手で絡めた指に顎を乗せて彼を見つめる。


「ネスとは上手くいっていないのかしら?」


 彼女も、フォックスとネスとの本当の関係を知る一人だ。寧ろそんな二人を影から応援していたりする。フォックスが彼女とのコーヒーの付き合いに頷いた真の理由を、彼女は漸くかいま見た。
 フォックスは目を僅かに泳がせたが、深い息を吐くと素直に白状した。


「まあそうだよ。ここんとこ、俺は彼と良い夜を過ごせてない。俺が周りに警戒しすぎて、彼に夢中になる回数が減ってしまったんだ。──元はと言えば、俺が原因だって訳だけどな」

「まあそうなの。……それなら部屋を移したりとかしたらどうかしら?」

「移したって、何だか癖になってしまうんだ。昔からの習慣だから、中々治らないんだよ」

「……フォックスは戦争で戦っていた人ですものね。無理も無いかも知れないわ」


 目線を落として暫し何かを考えているピーチだが、ピンと来ると目線を彼に戻し、静かに口端を上げると、残りのコーヒーを上品に飲み干した。


「良いことを思い付いたわ」

「良いこと?」


 沈んでいた顔を上げたフォックスの目の前に差し出されたのは、小さな袋だった。その袋の中には、薄いピンク掛っている粉が少量入っている。


「な、何だコレ?」

「良いから受け取りなさい。
 私は仮にもこの城の管理人だから、城内のことなら何でも知っているつもりよ。今から皆から離れた部屋を紹介するわ」

「はあ」


 何故女性はそこまで面倒を見てくれるのか、男であるフォックスには一生分からないであろう。
 とりあえずその謎の粉は受け取っておいた。
 そしてピーチはその部屋の場所を教えた後、フォックスの手中にあるソレを指差し、


「それをネスの飲むジュースに仕込ませるのよ。勿論、フォックスのよく飲む物にもね。そして二人で一緒に飲むの。飲む時間はいつでも構わないわ」

「そ、それは良いとしてさ、この粉は何かの薬か? 一体どんな効果が……」

「それを言ったら詰まらないわよ。飲んだ自分達の体に聞くこと。良い?」


 頬を一寸膨らませ、その後微笑を浮かべると席を立つ。そこへピーチの使いであるキノピオがトレイを脇に現れ、空になった彼女のコーヒーカップを小皿共々トレイに戻した。フォックスは、彼女の微笑には企んだ影を潜ませているのに気付いていない。


「それじゃあ、部屋の鍵を渡しておくわ。後は頑張ってね」


 彼の手に小さな鍵を握らせ、可愛らしいウィンクを、お星様を飛ばして送った後、キノピオを後ろにバルコニーを後にした。
 フォックスはポカンとした顔で彼女達を見送った後、手にある粉へと顔を戻した。


「……ピーチの考えてることが分からないな、最近」


 だからこそこの謎の粉を使うことに最初は躊躇ってしまった。だけど、鍵まで渡されると、使わない訳にはいかなくなってしまった。彼女がフォックス達を応援してくれていることは前から分かっている。彼女の努力を無駄にす訳にはいかない。


「…………」


 フォックスはそれをギュッと握ると意を決し、彼もコーヒーカップを持つと席を立った。



 ネスの部屋へ、入室許可を貰ったフォックスが入ってきた。ネスはフォックスならばいつでも大歓迎をし、彼が入ってくると直ぐに抱きつくのである。フォックスは毎回それが嬉しくて、屈むと彼の額にそっとキスをするのだ。


「今日は何して遊ぶ? それとも外でバトルする?」


 目を輝かせるネスを見た後、フォックスはポケットに入れておいた例の袋を取り出した。


「? 何これ?」


 ネスは興味津々でそれを眺めた。


「まあ、うん、あれだ」


 フォックスは頬を掻きながら話す。


「これは砂糖だよ」

「さとう? あの甘いさとう?」

「そ」


 フォックスは口端を緩めて頷いた。気付けばテレパシーで本当の心を覗かれない様に注意しながら、話を続ける。


「コック達に内緒で少し失敬したんだ。砂糖はね、元気の元にもなるんだよ」


 口に人差し指を軽く当て、ウィンクした。ネスは不思議そうな目をして、ふーんと口から漏らした。


「でも何で狐のお兄ちゃんがその砂糖を貰ってきたの?」


 フォックスは密かにギクッとしたが、冷静に冷静にと自分に言い聞かせた。


「最近ネス疲れてるだろうなって思って、そこでピーチが、元気になるのは砂糖が一番だって、教えてくれたからだよ」

「……狐のお兄ちゃん……」


 ネスは彼の話にジーンと来たらしく、目を僅かに潤わせながら微笑んだ。フォックスは、無意識に誘惑する彼の顔に思わず鼓動を鳴らした。が、まだその時間は早いので、熱くなる顔を頑張って抑える。互い承知のことだ。


「でも狐のお兄ちゃん」

「何だ?」

「僕の為に悪さをすることだけはやめてね? 悲しくなるから」

「……ああ。大丈夫、心配するな」


 もう一度額にキスを落として安心させた。


「そろそろ喉が渇く時じゃないか?」

「ああ。うん、言われてみればカラカラだよぉ」


 ネスは喉に軽く手を当ててみせた。フォックスは立ち上がり、小さな冷蔵庫からオレンジジュースとグレープジュースを一本ずつ片手で器用に取り出した。


「このジュースに砂糖を入れて、もっと美味しくしような」


 ネスは期待に目を輝かせながら、首を大きく縦に振った。
 フォックスは二本のジュースの蓋を開け、その中に、ピーチから貰った『砂糖』と言う名の粉を半分ずつ、溢さないように気を付けて入れていった。ピンク掛った、本当に砂糖みたいにサラサラとジュースへ流れ込む。ジュースに入ると、粉は泡を立てながら素早く溶け、普通のジュースと見比べても分からないくらい何も見えなくなった。
 フォックスはそれらを持ち、ネスのを彼に手渡した。ネスは彼に対する信頼が大きいので、彼の為ならと行動してくれることが多い。それはフォックスも一緒で、そして今の二人は、次の行動に躊躇なく臨んだ。
 ほぼ同時にジュースを口に付けると、中身をゴクゴクと飲み、渇いた喉や体内を、甘い味で潤していった。矢張り粉に寄る味の効力はあり、いつもより甘味があり、つい癖になってしまいそうだった。今だ嘗てこんな味覚を感じたことがなく、おまけに何だか幸せだった。
 お陰で中身は空っぽになり、夢中になって飲んでしまったからか、飲む度に溜め込んだ二酸化炭素に気付くと二人で仲良く吐き出した。


「美味しかったか?」

「うん、とっても!」


 フォックスの問いにネスは即答した。しかも天使の様な笑顔に、フォックスも口元を綻ばせた。


(…………)


 ピーチに貰ったあの粉は、果たしてどんな結果をもたらすのか。彼女のことだが、何を考えているのかは分からないままだと、フォックスはネスがいない間はそればかり思っていた。


    ‥


 スマブラの就寝時間が訪れた。
 そしていつも通りの待ち合わせ……と思ったが、今回は少し違う。廊下で待っていると、ネスは手を振りながらこちらへやってきた。毎回の様にこの時間は、最も二人だけの時間を得られる。それは何をしても自由と言うことなのだが、ネスはいざとなると少し赤面しつつフォックスのいるとこへ向かった。


「お待たせ、狐のお兄ちゃん」


 そしてネスは先にフォックスの部屋へ向かおうとしたが、彼に手首をガシッと掴まれ、彼は、え? とこちらを向いた。


「ネス、俺がお前を抱く時、俺が周りをつい警戒してしまうのは、分かるよね」

「……うん」


 そう返事をするのも辛いのか、ネスは斜め下に目線を反らし、コクリと頷いた。フォックスはそれには傷付くどころか、ホッと小さな息を吐いていた。ネスはそこのところは素直では無く無理にでも隠すタイプなのだが、フォックスの前では隠し事は出来なかった。


 ──俺は既に隠し事があるけどな。


 だからこそそれについて、フォックスは罪悪感を抱いた。だけど、これも、ネスと俺の為なんだ。許してくれ。


「だから、今日は他の部屋へ行こうって思うんだ」

「他の部屋?」

「その為に、今日は違う鍵をもって来たんだ」


 ウィンクしながら手にあるそれをチャリッとぶら下げて見せた。


「じゃ、行くか」

「うん」


 始める前だからか、ネスは更に頬を熱くして頷いた。フォックスもいつに増して熱くなっているのは、きっと環境が変わっているからだと思った。──思いたかった。
 正か、環境が変わったことでここまで熱くなる筈が無いのに、何故か身体中に熱が溜る様な気がしてならなかった。
 そんな気持ちを荷物に、誰も使わず、皆から離れた部屋へ来た。部屋内はフォックス達の部屋と変わり無い。それでも空気は違っており、フォックス達はキョロキョロと見回していた。
 お約束のベッドも勿論あり、それを見ただけでフォックスとネスは顔を見合わせ、ういういしく照れ合っていた。それでも体の異常に二人は気付いている様で、ネスは服の胸部分を握りながらフォックスを見上げる。


「き、狐のお兄ちゃん、何か、変な感じなんだけど……」

「それは、俺も一緒かもな」


 部屋に入る前から二人は気付いていた。既に鼓動が耳に付く位に、発熱状態だった。
 フォックスがネスに目線を落とすと、ネスもこちらを見上げていた。体が熱っているからか、真っ赤は頬に、とろんと溶けた目は水に濡れた様にうるみ、しかも瞳は上目使い。おまけに熱い息をゆっくりと吐きながら見つめられている為、フォックスの理性は一気に極細になった。
 理性を消そうとする無意識な状態と必死で戦うフォックスは、ネスの小さな体を抱え上げ、柔らかなベッドへ寝かせた。


「フォックス、何か変だね」

「俺も何か、ヤバいな」


 互いを見つめ合い、フォックスは一先ず彼の濡れた前髪を掻き上げ、額にキスを落とした。そして汗で出来た一筋の付いた頬に舌を這わす。


「フォックス、お願い、あちこち舐めて。何だか、いっぱい汗が出ちゃってるみたい」


 明らかに誘っている無意識な表情に、フォックスは更に鼓動を高鳴らせた。もう、暴走は止まらない。ネスに言われた通りに、彼の頬や首筋、服を捲り上げては汗ばんだ小さな胸や腹を舐めてゆく。それにもネスの体は反応し、時折小さく跳ね上がった。


「は、あっ」

「ネス、やっぱり可愛いな、他の誰よりも、凄く可愛いよ」


 その言葉も平気で出る。これも環境のせいだと言い聞かせ、行為を再開した。
 舐めても舐めても、汗が止まない。その時間が長くなる程、ネスの体は敏感になりだし、時折小さく体を跳ねらせた。
 柔らかな白い肌に優しくキスをするだけで、綺麗な紅い花が咲く。あちこち口付ければ、花は咲き乱れる。顔を上げると、フォックスが咲かせた無数の花が、ネスの体を彩っていた。


「まだ小さいからかな? いつも綺麗な肌してるよね。少し羨ましいかも」

「はぁ、んっ!」


 小さな突起を口に含み、舌で執拗に攻め立てると、ネスの熱い息は煽られ、体も熱色に染まり出す。
 下半身をいじられていない欲情からか、ネスの足は自然と開いていた。フォックスはそれに気付くと、熱に犯されている所為か、普段ならそこはジラしてからヤるものなのだが、今回は違って、彼の下もたっぷりいじめてやりたい気分だった。


「……ックス、っあ!」


 染みを作り出したズボンの中心をそっと撫でる。そこは既に形となっていて、撫でれば撫でる程熱くなり、ズボンの中でもがき出す。ネスの体は震え、涙を止めない目は強く閉じられていた。


「直接触って欲しい?」


 フォックスが静かに問うと、ネスは顔を反らしながら首を縦に何度も振った。


「さ、さわ……って、お、お願い……」


 喋るのも精一杯の様で、話している間でも息を乱している。いつもよりかなり感じているらしく、フォックスの体の反応も早かった。
 ネスのズボンを下ろすと、既に上を向いている小さな雄が顔を出した。先からは白い蜜が溢れ、既に幹を煌めかせていた。


「ネス、こんなに濡れてるよ」


 手で溢れた蜜を掬い取り、指に絡み付いたそれを彼に見せた。うっかりそれを見てしまったネスは、肩を上げるとまた顔を反らしてしまう。フォックスは微笑し、それを舐めた後、雄を指で優しく扱きながら先端にキスを落とした。


「あっ、や……ん、あ」


 亀頭をしゃぶり、小さな割れ目を舌先でいじり、幹は手で何度も擦り上げる。ネスのあえぎは高まり、足腰が自然に震え上がる。それは、無意識の内のねだりでもあるのだ。


「ああっん、はぁ! く、う!」

「我慢出来ないなら、直ぐに出しちゃって良いよ?」

「や、やだっ。フォックスの……顔、汚しちゃうっ」


 そうは言っても、ネスの体は限界に近い。それを見通したフォックスは、顔を離し、先端を爪でいじりながら耳元で囁いた。


「良いから、出しちゃいなよ」

「んっ、あ、あぁっ!!」


 ネスは少年独特の高い声を荒げると、ぴゅるっとソレを飛ばし、フォックスの手を白濁の液で汚した。フォックスは満足げに微笑み、それを手中に収め、彼の目の前でそれらを舐め取った。


「やだ、フォックス、汚いよ……」

「ネスのだから、全然平気だよ」


 そう微笑むフォックスを睨んだかと思えば、ネスは急に起き上がり、彼のズボンの中心を両手で包んだ。


「ネ、ネス?」


 フォックスはギョッとしたが、彼の手が触れてきたことで、中心がうっかり膨らんだ。


「フォックスが僕のを飲むなんてずるいから、僕にも飲ませてよね」


 真っ赤な顔をしているとあまり迫力が無く、おまけに負けず嫌いな様子を見ると、フォックスは心の中で吹き出した。


「わ、笑わないでよっ」

「! ご、ごめん」


 テレパシーで難無く見抜かれてしまったらしく、フォックスは慌てた。それが彼を更に煽らせたらしく、ネスはフォックスのズボンを下げ、小さな指でそれを揉み始めた。


「ネ、ネス……」


 ここまで積極的だっただろうか? しかも今からやろうとしているのは、


「っ……」


 ネスは恐る恐るだが、袋を揉んだり擦りながら、フォックスの先端に舌を這わし始めたのだ。普段は自分からすることは無いのに、意外な行為にフォックスは見開くばかりだった。


「ネス……ッ」


 ネスは、フォックスの声が耳に入っておらず、ただただソレに夢中になっていた。みるみる猛る雄を飴の様に舐め回した後、亀頭を口に含み、顔を動かす。初めてにしてはかなり上手で、フォックスも次第に心地好く感じつつネスの頭を撫でる。


「フォックス、出したかったら、出しちゃって良いよ」


 一端口を離し、上目使いを使って熱く呟く。いつそんな誘いを覚えたのやら。フォックスの理性はもうヤバかった。
 そんなことを思っている間にも、ネスは再び行為を再開する。小さな口でも全て呑み込もうと言う必死さが伺われる。それだけでも十分だが、彼の望みなら、叶えてあげようと決めてはいた。


「ネス、そろそろ、ヤバいな……っ」

「ん……良いよ、出して」

「っ──!」

「!! ん、ふぅ!」


 一瞬だけ唸ると、フォックスは彼の口内へ解き放った。ネスは驚いたが、雄から口を離そうとはせず、彼が全部吐き出すまでそのまま耐えていた。
 やがて出し終えると、ゆっくりと雄から口を離した。
 だらんとしたソレを片手に、口をもう片手で抑える。フォックスの出した奴を飲み干そうと頑張っているみたいだ。


「ネス、無理するな。出せ」


 しかしフォックスの声も聞こえない程にネスは必死だった。やがて、苦しい顔を作りながらもゴクンと音を立てて飲み込んだ彼にフォックスは目を見張る。そんな彼にネスは涙目でも勝気に歯を見せた。


「どう? 僕ももう子供じゃないでしょ?」

「……本当馬鹿だな、全く」


 フォックスの意見に逆らい、納得がいく論を返して貰わないと基本的に許してはやらないのだが、今回のフォックスはそれはどうでも良い気分だった。


「ネス……」

「フォックス……、っぁ!」


 小さな蕾に人差し指を埋め込む。既に熱く溶けているの一本の指でも十分感じとれ、達したばかりだと言うのに、フォックスの雄は早くも元気を取り戻した。


「フ、フォック……あぁっ」


 遠慮なく中指も埋め、二本とも奥まで挿入した。ゆっくりと掻き回せば、くちゅくちゅと淫らな音が部屋中に響き渡る。その恥ずかしさか、ネスは顔を益々赤くし、腕で目を覆う。


「ネス、そろそろ良い?」

「ん、うん。早く挿れて。奥が凄いムズムズするの。フォックスの指でも、届かないくらい」


 感じる声でそんな風に誘われては誰も断れないだろう。無論、それはフォックスのみに許された感情だ。
 大分柔らかくなった所でゆっくりと引き抜き、勃ち切った自分のを押し当てる。そして、奥まで挿入したのだ。


「あぁ! はあ……っ、は、あ!」

「ネス……、こんなに挿っちゃったな」


 ここまで挿るのは珍しい。いつもなら彼は痛みを訴え、途中までしかいかないことがある(それでも満足することは結構あったりする)。だが今は、彼の全てが性感帯で、中の肉もフォックスの雄全てを熱く包み込んでいた。
 フォックスはネスの腰を軽く抑えると腰を動かし、律動を始める。最初はゆっくりで、次第に激しくなってゆく。


「あ、ん! や、やあ! フォックス……!」


 フォックスには警戒心がなくなっていた。誰かが入ってきても、恐らく今のフォックスは全く気にしない方向だろう。それ程に彼はネスに夢中になっていた。
 小さな蕾にすんなり挿った、硬くて太い肉棒。敏感なとこへ直ぐにたどり着いた為、軽く突くだけでもそこは必ず当たっていた。


「ひゃっ、あ! フォックス……っ、だ、駄目、駄目! 変になっちゃう……!」

「ネ、ネスっ……んなに締めるな、千切れるっ」

「だって、凄い、良いんだもん……、あ、はぁ……っ!」

「くっ、も、ヤバいかも知れない……っ」

「あ、あぁ! フォックス……、も、もう駄目! ああぁっ!!」

「っ……ネス!」


 周りも何も聞こえない、見えない。目の前にいる彼しか見えないし、聞こえない。本当の快楽とは、こう言うことだったんだ。
 ごめんな、ネス。今までの俺を、どうか許して欲しい。満足させられていなかっただなんて、恋人失格だ。


「狐のお兄ちゃん」

「ん、何だ?」


 ベッドに眠るフォックスの腕を枕にしているネスは、深い眠りから覚めると顔を上げた。フォックスと目を合わせると、天使の微笑みを彼の目に映し、一言言った。


「薬に頼らなくたって、僕にとっては、狐のお兄ちゃんが最高の薬だから。──じゃあ、お休みなさい」

「…………」


 ネスは、最初から分かっていたと言うのか。気付かぬ内にフォックスの心を読んでいたに違いない。
 抑、あの粉が何だったのか、知らなかった自分が馬鹿に思える。今更知ったのに恥ずかしく思えた。
 が、ネスはそんな俺を許した。薬に頼らなくても、フォックスを愛してると言ってくれた。


「……ネス、ありがとな」


 これからも、お前を愛すから。その約束だけは、永遠に守り続けるよ。








 ──Fin──










 【後書き】


 大変長らくお待たせ致しました!
 來様へ捧げます。相互記念リクのフォネスで甘裏です。如何でしたでしょうか?

 あの後のピーチ姫は、今までの努力は何だったのかと一寸すねてしまうでしょうね(笑)。でも彼女はああでも二人を応援しています。
 フォックスも彼女のお陰で自信がついたでしょう。
 今回はネス君も積極的にしてみました。

 來様、本当お待たせして申し訳ありません(涙)。受け取って下さると凄く嬉しいですっ。
 それではリクありがとうございました!